「人」で差がつく採用サイト。効果的な社員紹介と作り方は?

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「人」で差がつく採用サイト。効果的な社員紹介と作り方は?

久永愛子

WRITER久永愛子Webマーケーター

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「人」で差がつく採用サイト。効果的な社員紹介と作り方は?

こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)の久永です。

採用サイトの「社員紹介」は、定番コンテンツですが、「募集要項」や「仕事内容」「福利厚生」と比べると求職者ニーズの高いコンテンツではありません。

しかし、多くの採用に関する意識調査で、求職者の不安の上位を占めるのは「社風」や「人間関係」といったソフト面です。実際、当社の採用サイトでは募集要項に次いで「社員紹介」の閲覧総数が多く、面接でもよく質問されるテーマです。

社員紹介コンテンツは、社員を通して社風を伝え、求職者の不安をとり除き、採用後のミスマッチを防ぐ重要な役割があります

本記事では、「効果的な作り方がわからない」 「どう見せればいいかわからない」 「参考事例を知りたい」 といったお悩みに応え、社員紹介コンテンツの作り方を4つのステップで解説します。「魅せ方がうまい!」と唸った参考になる企業事例も合わせてご紹介します。

採用サイトの社員紹介コンテンツの役割

採用サイトに社員紹介コンテンツを掲載する目的

採用サイトに社員紹介コンテンツを掲載する目的は、人を通して社風や価値観を伝えるためです。求職者が求人応募する際に注目するポイントは、「福利厚生」などのハード面だけなく「会社の雰囲気」などのソフト面を重視する方もいます。

例えば、求職者の多くは「ブラック企業ではないか」「会社の雰囲気はどうか」などを採用サイト、口コミ、求人媒体から判断する傾向があります。有名な大企業であっても、「配属ガチャ」や「上司ガチャ」という言葉があるように、配属先によって人間関係は大きく変わるため、不安は尽きません。

採用サイトの社員紹介コンテンツには、実際に働いている社員のことを深く知ってもらうことで、上記のような求職者の疑問を払拭する役割があります。

株式会社キャリタスの採用サイト調査によると、学生が良い印象を持つサイトには「先輩社員の紹介が豊富」という共通点が見られます。社風が伝わるように取り組む姿勢は企業の誠意が表れており、採用ブランディングに好影響があることが窺えます。

参考:【2025年卒】採用ホームページに関する調査(2024年7月発行)- 株式会社キャリタス

社員紹介を掲載するメリット

採用サイトに社員紹介コンテンツを掲載するメリットは、下記の通りです。

  • 企業が求める人物像が伝わりやすい
  • 求職者が求める情報を提供できる

メリットを確認した上で、コンテンツ制作を検討してみましょう。

企業が求める人物像が伝わりやすい

採用サイトに社員紹介コンテンツを掲載すると、企業が求める人物像が伝わりやすいメリットがあります。実際に活躍している社員を取り上げることで、どんな人物が評価されるのか、どんな志をもった人材が入社しているのかなど、企業が求めている人物像を具体的に提示できるためです。

また、社員紹介コンテンツを閲覧した求職者から共感を得ることができれば、採用後のミスマッチ軽減にもつながります。

求職者が求める情報を提供できる

採用サイトに社員紹介コンテンツを掲載すると、求職者が求める情報を提供できるメリットがあります。

求職者が採用サイトを閲覧するときに知りたい情報である「仕事内容」や「働く環境」について、人を通して発信していきましょう。社員紹介コンテンツで「具体的な仕事内容」「業務の流れ」「先輩社員の志望動機」「どんな社員が働いているか」「どんな環境で働いているか」を網羅することが可能です。

社員紹介コンテンツの作り方

社員紹介コンテンツの作り方を4つのステップで紹介します。下記手順に沿って、制作に取り掛かってみましょう。

  1. 掲載する人材の選定
  2. コンテンツ内容を決める
  3. 掲載形式や仕様を決める
  4. 社員へのインタビュー実施

【ステップ1】掲載する人材の選定

はじめに、社員紹介コンテンツに掲載するスタッフを選定します。求職者がロールモデルにできるような、企業が求める人材に近い社員を選ぶようにしましょう

例えば、勤続年数や年齢に関係なく、仕事の成果や成績で評価する制度を設けている点が強みになる場合は、若手の管理職を社員紹介コンテンツに掲載するとよいでしょう。女性の活躍をアピールしたい場合は、育児と仕事を両立している女性スタッフを選出するなどが考えられます。

社員を通して多様なキャリアデザインを掲示することで、より多くの共感ポイントを設計することが可能です。共感ポイントが多く設計されていると、多くの求職者が自身を投影しやすくなります。

【ステップ2】コンテンツ内容を決める

続いて、「自己紹介」「担当業務内容」「志望動機」「仕事のやりがい」など、コンテンツで発信していきたい内容を決めていきます。

コンテンツ内容の選定でポイントになるのが、ターゲットとなる求職者が知りたいであろう情報にあったトピックを選択することです。例えば「実力主義の評価制度を希望する上昇志向の高い求職者」を求めているのであれば、「仕事で感じるやりがい」「これまでのキャリアパス」などをメインコンテンツとすれば、ターゲットからの共感が得やすいでしょう。

社員紹介コンテンツは採用課題の解決にもつなげやすいため、コンテンツ内容については、サイト設計や企画の段階ですでに決定しているケースもあります。

【関連記事】採用サイトに必要なコンテンツとは?成功事例とポイントを紹介

【ステップ3】掲載形式や仕様を決める

次に、社員紹介コンテンツの掲載形式や仕様を決めていきます。採用サイトの制作フェーズでは、画面設計フェーズで検討していく内容です。

  • 掲載形式(ブロック形式、一問一答形式など)
  • コンテンツ形式(テキスト形式、動画形式、音声形式など)
  • 社員名の表記形式(イニシャル、漢字フルネームなど)
  • 社員の写真(顔写真NGの場合、イラストや後ろ姿など)

形式によって1項目あたりの最適な文字数が異なるので、コンテンツの発信内容と照らし合わせて最適な方法を選択しましょう。

掲載形式(ブロック形式、一問一答形式など)

ブロック形式は、項目や話題ごとに社員紹介コンテンツを作成する形式です。項目あたりのボリュームが多いので、内容を具体的に掘り下げて伝えられるのがメリットです。インタビューのように質問文を見出しにして作成する場合や、本文からキーフレーズを抜き出して見出しに引用する場合などがあります。

一問一答は「Q&A形式」でコンテンツを作成する方法です。ブロック形式と違い、質問に対する回答は浅くなりがちですが、多くの項目を簡潔に紹介できる点がメリットといえるでしょう。

コンテンツ形式(テキスト形式、動画形式、音声形式など)

コンテンツ形式では、写真とテキスト以外に動画や音声コンテンツの手段もあります。動画や音声コンテンツでは、話している様子や仕草から人柄が伝わりやすく、社風が表現しやすいメリットがあります。記事コンテンツと合わせて掲載することでより効果的な社員紹介コンテンツになります。

社員名の表記形式(イニシャル、漢字フルネームなど)

ジーピーオンラインの採用サイトでは、社員選定の際に社員名表記について事前にアンケートを実施しました。漢字フルネームで問題ない人、苗字だけならOKな人、イニシャルだったらOKな人と段階を設定することで、アンケート結果を見ながらどのような表記でいくかを決定しています。

社員の写真(顔写真NGの場合、イラストや後ろ姿など)

社員の顔写真に関しても事前アンケートや個別ヒアリングで、撮影に関する許諾が必要です。求職者にとって、実際の社員の顔写真は社風を感じとれる数少ない情報になります。しかし、プライバシーの関係でどうしても撮影がNGの場合は、無理に許諾を依頼してはなりません。

撮影OKの人たちでスタッフ紹介を設計しなおすか、代替案として後ろ姿や横顔の撮影や、似顔絵、イメージイラストを使用し、取材内容で人柄が伝わる工夫をするなど検討しましょう。

【ステップ4】社員へのインタビュー実施

最後に、社員へのインタビューを実施します。社員インタビューは、求職者が会社で働く姿を想像するために読むコンテンツのひとつなので、共感ポイントをしっかり引き出せるようにインタビューすることが重要です。

以下は代表的な質問項目の例です。

  • 社員のプロフィール
  • 学生時代の過ごし方
  • 入社のきっかけ・志望動機
  • キャリアステップ
  • 会社の雰囲気
  • 仕事内容
  • 仕事のやりがい
  • 失敗談や成功体験
  • 今後の目標やキャリアプラン
  • 休日の過ごし方

求職者に伝わるインタビューコンテンツのポイントや、インタビューの手法・注意点については、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】採用サイト社員インタビューの極意!5つのポイントと参考事例を紹介

社員を通した共感設計と3つの成功ポイント

採用サイトの社員紹介コンテンツを成功させるためのポイントを紹介します。共感を引き出すインタビューだけでなく、そのインタビュー内容をコンテンツ制作する際は、次のポイントを意識することで、成功に近づきます。

  • ビジュアル要素を多く取り入れる
  • 人材が偏らないようにする
  • 具体的なエピソードを入れる

ビジュアル要素を多く取り入れる

社員紹介コンテンツでは、ビジュアル要素を多く取り入れましょう。テキストで埋め尽くされたコンテンツは、淡々とした印象を与えてしまい、求職者の離脱につながりやすくなるためです。

例えば、実際にインタビューを受けている社員の姿や現場で働いている姿などを、インタビュー内容に合わせた写真を配置し、求職者がよりイメージしやすいように工夫しましょう。最近は、インタビュー動画や音声といった手段を採用する企業も増えています。

人材が偏らないようにする

掲載する社員に偏りが出ないようにするのもポイントです。「性別」「年代」「部署」がひとつに集中しないように、人材を選定しましょう

例えば「男性のみ」のインタビューを掲載した場合「女性は活躍できないのでは?」といった意図していない印象を与えてしまうリスクがあります。さまざまな部署の社員を紹介し、各部署から見た会社の雰囲気を語ってもらえば、求職者の会社への理解が深まりやすいため、広く掲載することを心がけてみてください。

具体的なエピソードを入れる

より効果的な社員紹介コンテンツにするには、具体的なエピソードを入れることが重要です。具体的なエピソードを掲載することで自社に対する理解が深まり、共感した求職者からの応募につながりやすくなります。

「社内はどんな雰囲気か?」という質問に対して「社員同士仲が良く働きやすい会社」といった返答では、どんな雰囲気なのかイメージが湧きづらいでしょう。しかし「お昼は同年代の同僚とランチに行って、ドラマや漫画の話で盛り上がっています。最近は、共通の趣味をもつ社員で集まって部活を立ち上げました。」のような具体的なエピソードを記載すれば、先ほどよりイメージが湧きやすくなります。

具体的なエピソードは共感してもらうきっかけとして活用できます。エピソードを通じた価値観や行動の情報発信で共感ポイントを盛り込みましょう。

【関連記事】内定到達率277%!共感型採用とは?進め方と手順まとめ

採用サイトの社員紹介コンテンツ事例6選

最後に、採用サイトの社員紹介コンテンツで、「魅せ方がうまい!」と唸った参考になる事例6選を紹介します。下記企業の採用サイトを参考にして、自社のコンテンツ企画に取り組んでください。

株式会社NTTデータ経営研究所

Interview 社員インタビュー – 株式会社NTTデータ経営研究所 Recruiting site

上司からの第三者評価を冒頭に配置し、客観的な信頼感を醸成。学生時代から現在の仕事、失敗経験、将来の夢まで「ストーリー仕立て」で構成することで、本人の成長過程が自然に伝わります。専門用語を使いつつも具体例で補足し、仕事のリアルが理解しやすい工夫も秀逸。各セクションに合わせた写真を挿入し、視覚的な変化でページに動きを生み出しています。読み手が「この人と働きたい」と感じる設計が巧みです。

  • 上司からのコメントがある
  • 成長過程が伝わりやすいストーリー仕立て
  • リアリティのある具体的なエピソード

三菱地所株式会社

INTERVIEW|NANIMONO|三菱地所 新卒採用

ページ左にあるモチベーショングラフが目次機能も兼ねている設計が斬新。入社1年目からのターニングポイントを時系列で配置し、成長の起伏が視覚的に理解できます。さらに音声インタビューが聴ける社員紹介や、動画コンテンツの社員紹介があったりとマルチメディア展開が秀逸。失敗や葛藤も隠さず描き人間味を演出しています。「NANIMONO」という問いで会社と個人の価値観を語り、共感を生む仕掛けも巧みです。

  • ターニングポイント基点で成長ストーリーを描いている
  • モチベーショングラフで視覚的な演出と目次機能
  • 記事型、音声、動画とマルチメディア展開

株式会社ジェイック

JAIC RECRUIT SITE|ジェイック採用サイト

社員の「過去→現在→未来」をストーリー仕立てで紹介する構成が秀逸です。高校時代の原体験から始まり、入社の決め手、現在の仕事内容、将来の野望まで時系列で語ることで、読み手が感情移入しやすくなっています。また、冒頭のプロフィール紹介としてクリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)上位5つの強みが掲出されており、「強みが輝く世界をつくる」という企業ビジョンに関連させていると思われる設計が巧みです。

  • 「過去→現在→未来」のストーリー仕立て
  • 5つの強みの掲出と企業ビジョンの掛け合わせ

株式会社TeaRoom

株式会社TeaRoom|Recruitment Site

写真の「色とトーン」を統一し、爽やかで洗練された世界観を演出。社員の表情や仕草を捉えた複数カットで人柄が伝わりやすく、親しみやすさを感じさせます。テキストは対話形式で読みやすく、仕事内容だけでなく価値観や想いまで深掘り。PC画面だと左側にプロフィールが追従する仕様で、誰の話か常に確認でき親切なUI。全体を通して「この会社で働く人」のリアルな姿が立体的に伝わる構成です。

  • 追従するプロフィール情報
  • 仕事内容だけでなく価値観や想いを濃く深堀り

株式会社LayerX

学生の皆さまへ / LayerX 採用情報

「オフィス出社頻度」を明記し、エンジニア職中心の企業ならではの多様な働き方を可視化。入社理由・やりがい・挑戦したいことを本人の言葉で語らせ、リアルな仕事イメージを伝達。さらに、各先輩に直接カジュアル面談を申し込めるボタンで応募ハードルを下げる設計が秀逸。

  • 個々のオフィス出社頻度の記載で多様な働き方を可視化
  • 先輩を選んで直接カジュアル面談を申し込める設計

株式会社ジーピーオンライン

採用サイト|株式会社ジーピーオンライン

求職者が知りたい「仕事内容」や「入社後のギャップ」などを本人の言葉で語る構成でありのままを表現。特に「"ありがとう"をつくるために目指すこと」という設問で、企業ミッションを自然に伝える工夫に注力。プロフィール欄の「#お酒大好き#音楽好き」といったタグで人柄を表現し、1日のスケジュールはアイコンやタイムラインで視覚的に整理され間延びしないデザインに。応募者へのメッセージで「仲間になりませんか」と呼びかける流れが、先輩と会話するような親しみやすさを生んでいます。

  • 求職者が知りたい情報を軸に本人の言葉で発信
  • 共感ポイントとして趣味や好き嫌いをタグで表現
  • 企業ミッションが自然に理解できる設問設計

採用効果を高める社員紹介ページの作り方まとめ

本記事では、採用サイトにおける社員紹介コンテンツの作り方を4ステップで解説し、成功のポイントや参考事例をご紹介しました。

社員紹介は、実際に働く「人」を通じて社風をリアルに伝え、採用ミスマッチを防ぐ重要なコンテンツです。

効果的な社員紹介を作るには、採用ペルソナ(求める人物像)に合わせた「紹介する社員の選定」「コンテンツ内容の決定」「掲載形式や仕様の決定」「インタビュー実施」という4つのステップで戦略的に企画します。

さらに、「ビジュアル要素を多く取り入れる」「多様なロールモデル(人材)を提示する」「具体的なエピソードを入れる」という3つの成功ポイントを意識すれば、より求職者の共感を呼ぶコンテンツに仕上がります。

採用のミスマッチが課題となっている企業さまは、ぜひ本記事を参考に、自社の魅力が伝わる社員紹介コンテンツの制作に取り組んでみてください。

ジーピーオンラインの採用サイト制作

ジーピーオンラインの採用サイト制作サービス
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採用ブランディングと採用マーケティングの視点から制作をおこなう、それがジーピーオンラインの採用サイト制作です。

コンテンツ企画や社員インタビューなどの取材、ライティング、撮影はもちろん、ブランドコンセプト策定やAIチャットボットの導入、SNS運用代行、映像制作など幅広く承ります。採用サイトの重要な要素となる写真は、撮影のディレクションをアートディレクターが担当することも可能です。

など、これまで当社では多くの企業さまの採用サイトを制作してきました。

また、当社においても、オウンドメディアを活用した採用活動にシフトしました。採用力の強化を目的として「驚きでも感動でもなく“ありがとう”を。」をスローガンにリクルートサイトのリニューアルをおこなった結果、書類通過率約3.9倍を実現し、当社の求める人物像とマッチした応募者の割合が上がっています。

人材獲得競争が激化している現代、変化する求職者ニーズを正確に捉え、オウンドメディアでの最適な情報発信と求職者の共感醸成から求職者の母集団形成とマッチング精度の向上を支援します。

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この記事の著者
久永愛子

WRITER久永愛子 Webマーケーター

2000年在学中から独学でWebサイト制作を経験したのち、2007年にジーピーオンライン入社。ディレクター、総務、広報、人事・採用などさまざまなポジションでの経験を活かし、Webサイト運用やWebマーケティングに関する情報を分かりやすく発信していきます。

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