こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のふじです!
IRサイトやIRコンテンツは企業にとって重要な情報発信のひとつです。
企業のサイトリニューアルに関するご相談をいただく中でも、「分かりやすいIR情報の見せ方とコンテンツの充実」を依頼内容に挙げられていることが多く、サイト運営における上位課題として意識されていることがうかがえます。
そこで本記事では、「リニューアルして株主や投資家へより分かりやすく情報を伝えたい」とお考えの方に向けて、IRサイト制作の基本から、失敗しないためのポイント、制作会社の選び方までを解説します。
IRコンテンツの制作もおまかせ!
もくじ
なぜ今、戦略的なIRサイト運用が求められるのか

かつては紙媒体が中心だったIR活動も、現在ではWebサイトを通じた情報収集が主流です。ここでは、改めてIRサイトの役割と、コンテンツを充実させる重要性について整理します。
IRサイトとは?投資家と企業をつなぐ窓口
「IR(Investor Relations)」とは、企業が株主や投資家に対し、経営状況や財務状況、業績動向などの情報を発信する活動のことです。
これらを発信する場である「IRサイト」は、投資家が「この企業に投資すべきか」を判断するための最も重要な判断材料となります。膨大な情報を正確かつタイムリーに、そして誰にでも分かりやすく発信していく必要があります。
IRサイト・コンテンツを充実させる4つのメリット
IRサイトを整備し、コンテンツを充実させるメリットは大きくわけて以下の4つです。
- 投資家・株主からの信頼獲得
- 企業価値・ブランドイメージの向上
- 資金調達の円滑化
- IR業務の効率化
投資家・株主からの信頼獲得
決算報告やニュースリリースをタイムリーに掲載することで、企業の透明性が高まります。Webサイトなら即時更新が可能なため、正確な情報を素早く届ける姿勢が、投資家からの信頼獲得につながります。
企業価値・ブランドイメージの向上
投資家の判断材料は、売上などの「財務情報」だけではありません。環境への取り組みや社会貢献、ガバナンスといった「非財務情報」も重視されます。Webサイト上でこれらのストーリーを魅力的に伝えることで、数字だけでは測れない企業価値やブランドイメージを向上させることができます。
資金調達の円滑化
コンテンツが充実し、経営の透明性が高い企業は、市場からの信用度も上がります。信用度が向上すれば、株価への好影響だけでなく、社債(しゃさい)の発行などによる資金調達も、より有利な条件でおこないやすくなります。
※社債(しゃさい)の発行について
なお、社債の発行とは企業が事業に必要な資金を、銀行などの金融機関から借り入れるのではなく、投資家から直接調達する手段です。具体的には、企業が債券を発行し、投資家がそれを購入することで企業にお金が渡る仕組みです。企業は満期まで投資家に利息を支払い、満期になると元本をまとめて返済する義務を負います。
銀行からの借り入れと異なり、一度に多額の資金を調達できたり、返済期間や利率を比較的自由に設定できる点がメリットです。
IR業務の効率化
IRサイトの情報が充実していれば、投資家は自己解決できるため、電話やメールでの問い合わせ対応にかかる工数を大幅に削減できます。自動更新機能やFAQ(よくあるご質問)コンテンツの充実も、業務効率化に役立ち、IR担当者はより戦略的な業務に集中できる環境が整います。
IRサイトを見る投資家の特徴と求めるコンテンツ
効果的なIRサイトを作るには、「誰が」「何を」求めているかを知る必要があります。
ターゲットとなる投資家の種類
主なターゲットとなる投資家は以下の3つに分類されます。いずれの投資家も求めるものは同じであったとしても、特徴や視点がそれぞれ異なります。
| 機関投資家 | 大量の資金を使って株式や債券で運用を行う大口投資家のこと。生命保険会社、信託銀行、普通銀行、信用金庫、年金基金などがこれに該当します。 |
|---|---|
| 個人投資家 | 組織に属さず、個人の資産を利用して証券や外貨などの投資活動を行う人のこと。 |
| 海外投資家 | 日本の国外に運用拠点を置いて売買する、個人投資家や機関投資家のこと。 |
IRサイトは各投資家に対して、偏りなく正確に自社の情報を伝えることが求められるため、サイト上での見せ方も重要な戦略のひとつになることを改めて認識しておきましょう。
それぞれの投資家が知りたい情報とは?
IRサイトの目的は、投資家や株主との信頼関係を築き、企業価値を正しく伝えることです。そのためには、ユーザーが本当に知りたい情報を提供する必要があります。「とりあえず全部載せる」のではなく、ユーザー目線で必要な情報を整理しましょう。
各ターゲットの関心と、用意しておくといい有効なコンテンツ例を、以下の表にまとめました。
| ターゲット | 求める情報・関心 | 有効なコンテンツ |
|---|---|---|
| 個人投資家 | 企業の将来性や事業内容に興味を持つことが多い。 「どんな会社か」という事業のわかりやすさや成長ストーリーを重視。 |
企業のビジョンや経営戦略、事業活動を分かりやすく解説するコンテンツ(「3分でわかる○○○」ページなど) |
| 機関投資家 | 企業の安定性や収益性、成長性を精緻に評価したい。 詳細な財務データや非財務情報(リスク・ガバナンス)を重視。 |
決算説明資料や有価証券報告書、事業報告書、事業のリスク要因やガバナンス体制に関する情報 |
| 海外投資家 | 海外ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資の傾向が強い。 多言語(英語)による情報の迅速な開示と、国際基準のESG情報を重視。 |
英語版サイト、サステナビリティに関する具体的データ(CO2削減目標など)、英語での決算短信 |
※海外投資家は情報収集のスピードを重視するため、日本語版とのタイムラグを減らすことも重要です。
上記を参考にしながら、IRサイトに載せるコンテンツを整理しておきましょう。
掲載する主なコンテンツ一覧
前述のターゲット別コンテンツに加え、IRサイトとして網羅しておくべき基本コンテンツを一覧にしました。
| 解説 | 掲載コンテンツ例 | |
|---|---|---|
| 経営方針 | 事業を営むにあたって、企業が持つ考えや方針を紹介するコンテンツ群。社会における自社の存在意義を伝える重要な情報にもなります。 |
|
| 財務・業績 | 企業活動を通じて得た成果を紹介するコンテンツ群。掲げた指標に対する実際の数値と今後の業績予測を基に、投資家が企業の実力と将来性を評価します。グラフ化などで視認性を高める工夫が必要です。 |
|
| コーポレート・ガバナンス | 企業経営を監視する体制について紹介するコンテンツ群。企業の健全性を示す、近年特に重要視されている要素のため、詳しい情報開示が必要です。 |
|
| 株主・株式関連 | 自社の株式に関する情報を紹介するコンテンツ群。株価情報は外部サービスを導入してチャート表示しているところが多くあります。配当情報は個人投資家も気になる情報です。 |
|
| IRライブラリ | 企業決算や説明会に関する過去の資料をダウンロードできるアーカイブコンテンツ群。説明会や株主総会に当日参加できなかった株主・投資家も、ライブラリがあることで情報の取得が可能となります。検索性の高さが求められます。 |
|
| その他・サイトの利用に関して | サイトを訪れたユーザーが適切に情報収集できるよう設けられた、ユーザビリティを向上させるための補助的なコンテンツ群。どこから見始めたら良いか分からない個人投資家に向けた案内が中心です。 |
|
IR戦略に沿って、取捨選択しながらIRサイトを制作・運用していきましょう。
失敗しないIRサイト制作の流れとポイント
IRサイト制作を成功させるためには、通常のWebサイト制作以上に、正確性、迅速性、そしてセキュリティへの配慮が求められます。
ここでは、プロジェクトを円滑に進めるための具体的なステップとポイントを解説します。
プロジェクト開始前の準備
プロジェクトの成否は、開始前の準備でほぼ決まります。以下の2点を徹底的に詰めることが重要です。
| 項目 | 詳細 | 押さえるべきポイント |
|---|---|---|
| 目的・ゴールの明確化 | 「誰に」「何を」「どう伝えたいか」を定義します。「個人投資家の数を増やす」「海外投資家からの評価を上げる」「IR業務を効率化する」など、具体的なゴールを設定します。 | 定義したゴールを達成するために、ゴールから逆算して必要なコンテンツや機能を洗い出します。 |
| 体制構築と予算・スケジュールの設定 | IR部門、広報部門、Web担当部門が連携した横断的なプロジェクトチームを立ち上げます。情報開示責任者を明確にすることも重要です。 | 予算とスケジュールはタイトになりがちです。特に情報開示のルール変更など、将来的な法規制対応も見据えた柔軟なスケジュールを組みましょう。 |
失敗しないための制作ステップ
準備が整ったら、以下のステップで制作を進めます。各段階でIR特有の注意点を押さえましょう。
ステップ1.要件定義・企画設計
設定したゴールに基づき、必要なコンテンツや搭載する機能を洗い出し、サイト構成(サイトマップや導線設計)を具体的に決定します。「投資家が求める情報へのアクセスしやすさ」を最優先に考える点がポイントです。
この段階で重要なのがCMS(更新システム)の選定です。IR情報は更新頻度が高く、ミスが許されません。TDnet(適時開示情報閲覧サービス)との連携機能を持つIR専用CMSや、セキュリティに強いCMSの導入を検討しましょう。
ステップ2.デザイン・コンテンツ制作
企業の信頼感とブランドイメージを損なわない、シンプルでプロフェッショナルなデザインに加え、スマホ対応(レスポンシブデザイン)は必須です。コンテンツ制作では、正確な情報に基づき、特に海外投資家向けに英文翻訳の品質に注意してください。機械翻訳そのままではなく、専門用語が正しく使われているかチェックが必要です。
ステップ3.開発・テスト・公開
CMSの組み込み、株価自動更新機能、適時開示情報とのシステム連携などの開発をおこないます。公開前のテスト(動作検証)では、表示崩れの確認だけでなく、「情報公開のタイミング制御」が正しく動作するかを入念に確認してください。インサイダー取引規制などに関わるため、公開日時の管理は非常にシビアな問題です。
ステップ4.運用・改善
公開がゴールではありません。「誰が」「いつまでに」「どの情報を」「どのプロセスを経て」公開するのかの運用ルールを徹底することがポイントです。
また、Google Analytics(グーグルアナリティクス)などでアクセス解析をおこない、「よく読まれている情報」「離脱されているページ」を定期的に分析することも重要です。投資家の関心度やサイトの課題を把握し、コンテンツの追加やナビゲーションの改善を継続的に実施しましょう。
パートナー選びで迷わない!IRサイト制作会社の選び方
IRサイトは通常のコーポレートサイトとは異なり、専門的な知識やセキュリティ要件が求められます。制作会社を選ぶ際は、以下の3つのポイントを基準に検討しましょう。
- IRサイトやIRコンテンツの制作実績
- セキュリティ対策や意識の高さ
- 公開後の運用更新サポート体制
IRサイトやIRコンテンツの制作実績
IRサイトには、「財務諸表」や「有価証券報告書」など専門用語が多く登場します。そのため、デザイン力だけでなく、IR特有のコンテンツや開示ルールを理解している制作会社を選ぶことが重要です。同規模の企業や同業界での制作実績があるか、事前に確認しておきましょう。
セキュリティ対策や意識の高さ
上場企業のIRサイトは、サイバー攻撃の標的になりやすい傾向があります。万が一、改ざんや情報漏洩が起きれば、株価や企業に多大なダメージを与えかねません。Webサーバーのセキュリティ対策や、WAF(Web Application Firewall)の導入など、セキュリティ面での意識が強い提案ができる会社であれば安心です。
公開後の運用更新サポート体制
IRサイトは「作って終わり」ではありません。決算発表ごとの速やかな更新や、法改正に伴う掲載情報の変更など、継続的な運用が必要です。「更新作業を代行してもらえるか」「CMSの操作レクチャーはあるか」「緊急時のサポート体制は整っているか」など、公開後の並走体制もしっかりチェックしておきましょう。
参考になるIRサイト成功事例
最後に、外部機関(第三者機関)から高い評価を受けているIRサイトの事例をご紹介します。
伊藤忠商事株式会社
「Gomez(ゴメス)IRサイトランキング2025」にて金賞として1位を獲得。また「大和インターネットIR表彰2025」でも最優秀賞8社のうちの1社に選ばれるなど、複数の格付機関から評価されています。
トップ画面に「株価」や「最新資料」をコンパクトに集約し、スクロールなしで重要情報に触れられる「効率性」を追求した設計です。膨大なコンテンツを論理的に分類したメガメニューにより、3クリック以内で目的の資料にたどり着ける優れた動線を実現しており、大規模サイトながら情報の探しやすさが際立っています。
株式会社アルトナー
「Gomez(ゴメス)IRサイトランキング2025」にて金賞の4位を獲得。また「大和インターネットIR表彰2025」でも最優秀賞、「2025年度日興アイ・アール ホームページ充実度ランキング」でも業種別部門・サービス業で選出されています。
投資家の知識量や目的に合わせ、属性別の専用ページを設けた動線設計がなされています。初心者向けの図解やプロ向けの月次データなど、各層が必要とするコンテンツが整理されており、個々の投資家の関心に合わせた、多角的な判断材料を提供できる豊富な情報量が強みとなっています。
コニカミノルタ株式会社
複数の格付機関から最優秀や金賞といった評価を毎年受賞している、コニカミノルタのIRサイト。全体的に情報量が多く、各項目におけるコンテンツも豊富なため、情報開示に対する企業の積極性が感じられます。
トップ画面に「株価」や「最新資料」をコンパクトに集約し、現在の状況を一目で把握できるダッシュボード型の設計が特徴です。「IRサイト使い方ガイド」コンテンツを設けて、サイトの利用についての説明を丁寧にするなど、ユーザビリティの高いサイト構成と言えます。
丸紅株式会社
弊社がリニューアルを担当した丸紅株式会社も、日興アイ・アールのホームページ充実度ランキングで2019年度に最優秀サイトとして選ばれました。その後も、最新の2025年度まで7年連続で最優秀評価を獲得し続けています。
トップ画面に「決算情報」「統合報告書」「中期経営戦略」の最新資料への導線が強化されており、最小アクションでアクセスできる点が特徴です。個人投資家へ向けた情報発信として「数字で見る丸紅グループ」を設け、丸紅が展開する事業規模の大きさを訴求しています。
まとめ:信頼されるIRサイトで企業価値を高めよう
IRサイトは単なる情報公開の場ではなく、「投資家・株主との信頼関係を築き、企業価値を正しく伝えるための戦略的なコミュニケーションツール」です。
制作を成功させるカギは、プロジェクトの初期段階で「目的とゴール」を明確にし、投資家の視点に立ったコンテンツを設計することにあります。特に近年は、財務情報だけでなく、ESGなどの非財務情報の充実が企業価値を左右する時代です。
貴社の企業価値を正しく伝え、信頼を勝ち取るIRサイトを実現しましょう。
IRコンテンツの制作もおまかせ!
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WRITERふじ ディレクター
ホテル業界を経験後、2020年にジーピーオンラインに入社。ディレクターとしてコーポレート、製品・ブランドサイト、キャンペーンサイトなどさまざまなサイト制作に携わっています。