ジーピーオンラインの広報、ぱらです!
ホームページ制作を進めるにあたり、これから制作会社へ見積りを取ろうとしている方もおられるのではないでしょうか。すでに制作会社からの見積りを見ながら、項目に疑問を抱いてる方もいらっしゃるかもしれません。
稟議を上げる際に上司に「これってなんの値段?」と言われてもいまいちわからない。
その中でも特に疑問の多い「ディレクション費」。ただこれが意外と一番重要なものだったりするのです。
そこで今回はホームページ制作において必要不可欠なディレクション費について詳しく解説していこうと思います。
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ディレクション費とは?
制作会社から見積りがあがってくるとき、必ずと言っていいほどついてくる項目に「ディレクション費」というものがあります。「なにこれ、削れないの?」という疑問も多く、具体的に何をする項目か見積書だけでは分かりづらいものですよね。
ディレクション費とは、簡単に言うとWebディレクターが行う進行管理に対する費用です。
ホームページ制作は通常、各分野のスペシャリストが集まり1つのプロジェクトを進行します。
よくあるチーム編成は下記のとおりです。
- ディレクター
- デザイナー
- マークアップエンジニア
- システムエンジニア
- カメラマン
- ライター
カメラマンやライターはプロジェクトに応じて稼働したりしなかったりします。
さらにここにアートディレクターが入ったりと少し流動的になる場合もありますが、おおまかにはこのような編成です。
この中のディレクターが稼働する対価が「ディレクション費(=進行管理費)」になるわけです。
ディレクション費の相場
ではディレクション費とはどれくらいが妥当なのか、気になる相場をご説明します。
ディレクション費の金額の相場は、プロジェクトの規模や難易度、納期などによって変動することがほとんどです。
プロジェクト規模が大きくなればなるほどディレクターの稼働も多くなるため、それに伴い費用も上がります。
そもそもディレクション費の算出方法はおおまかに2つに分かれます。
制作費に応じてディレクション費を算出する方法
比較的多くの制作会社が採用している算出方法で、ディレクション業務を除いた制作費の10%~30%に相当する金額をディレクション費とする方法です。
ディレクション業務を除く制作業務はおおまかに以下のとおりです。
- デザイン
- コーディング
- システム開発
例えば、デザイン、コーディング、システム開発で合わせて300万円かかる場合、
10%~30%なので、30万円~90万円がディレクション費となります。
※ディレクション費は制作費用の一部ではなく、別途計上されるものとなります
ディレクション業務にかかる日数に応じて算出する
もうひとつは、ディレクターの1日の単価を稼働する日数でかけて設定する方法です。
制作費などの算出でも用いられる計算方法ですが、1人が1日(8時間)稼働した場合の単位を「人日(にんにち)」といいます。
人日とは、作業量の大きさを表す単位の一つで、何人で何日間働けばこなせるかを表したもの。「人数×日数」の意味で、投入する人員の数と、一人あたりの作業への従事日数の積を意味する。1人で1日かかる仕事の量が「1人日」である。
例えば、ディレクターが1日稼働したときの単価が5万円の場合、5日稼働すると5人日になるので、ディレクション費は25万円になります。
このようにして、制作費とは別にディレクターの稼働時間や日数で設定する方法もあります。
ディレクション費で括れないものもある
ひと括りにディレクション費と言っても、必ずしも制作業務以外がすべてディレクション費になるとは限りません。
よくあるのが要件定義、企画・提案、画面設計の費用などです。
ディレクターが行うことも多い業務ですが、上記のものは一式でいくらと決まっていることや、ディレクション費とは別にかかる人日で計算されていることも多いです。
制作会社によって異なるので、どのような内訳かは見積書を見て確認しましょう。
【関連記事】RFP(提案依頼書)と要件定義書の違いは何? 記載内容も詳しく解説
Webディレクターってどんな仕事?
ディレクション費がどのように算出されるかはおわかりいただけたかと思います。
ではWebディレクターってそもそもどんな仕事なの?というところを詳しく解説していきます。
Webディレクターはプロジェクトのリーダー兼旗振り役
TV業界ではよく聞く職種だと思いますが、Web業界にも同じくディレクターがいます。
ディレクターとはもともと監督や指揮官といった意味があります。
Webディレクターとは、Webサイトの制作ディレクション(指揮・監督)をする職業です。 まさにその名の通り、制作現場の監督者として、制作工程全体を見渡し、制作スタッフに指示しながら制作物の納期や品質をコントロールする役割を担っています。
ディレクターはプロジェクト全体を把握し、完成に向けて関わる人を取りまとめるリーダー的な役割を担っています。
ホームページにはたくさんの人が関わるため、1人が違う方向に進めていくとプロジェクトが思うように進まなくなってしまいます。
ときにはお客様に対しても、もっといい方法があれば提案することがあるため、各所をコントロールする力も必要で、プロジェクトに関わるメンバーを先導する旗振り役ともいえます。
また、よく聞く肩書の中にプロデューサーという職種もあります。
ディレクターとプロデューサーの違いは制作会社によっても異なり、明確にここが違う!とは言い切れない部分もありますが、一般的にプロデューサーはディレクターの上位職であることが多いです。
ディレクターと同じようにプロジェクトの進行に携わることもありますが、自社の売り上げやコストの管理も行います。
その他クライアントとの折衝はもちろん、進行中のプロジェクトの進捗確認や承認作業、制作スタッフの管理など、プロデューサーには幅広い能力が求められます。
Webディレクターの主な仕事内容
では、Webディレクターの仕事内容にどんなものがあるか見ていきましょう。
ディレクターの仕事はおおまかに4つにまとめられます。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
与件整理、要件定義
クライアントの抱えている問題や課題を洗い出し、どう解決するかを整理する段階です。
またリニューアルであれば現状のサイトを見て欠点や改善すべきポイントも同時に確認します。
そしてどんな背景で制作するのか?ゴールはどこなのか?などプロジェクトの方向性を明確に定義することが要件定義となります。
制作の背景はもちろん、ゴールなどは発注元が決めることもあり、要件がまとまっている資料をRFPと言います。
RFPについては以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】RFPとは?ホームページ制作を成功に導く提案依頼書の書き方とサンプル
サイト設計
サイト設計の段階ではさまざまな資料作成を行います。
ホームページをどのような構成にするかを表すサイトマップ、必要なナビゲーションやコンテンツ、その他の要素を配置した画面設計書、URLを実際に決定してページ構成を表すディレクトリマップなどがあります。
制作工程の管理
デザイナー、フロントエンドエンジニア、システムエンジニアなど制作を担当するスタッフにイメージを共有し、制作工程を管理します。各工程のスケジュールも管理しますので、進捗によっては全体のスケジュール調整やクライアントとの折衝も行います。
品質管理
ホームページが設定された要件を満たしたものになっているか、クリエイティブやシステムのクオリティが水準をクリアしているか、レイアウトの崩れや誤字脱字がないかなど詳細にチェックします。
上記の業務以外にも、社内外での打ち合わせや、撮影があれば撮影の進行など、ディレクターの業務は多岐に渡ります。コミュニケーションコストを抑えながらこれらを進行していくため、コミュニケーション力はもちろん、一歩先を読む力、UI・UX、ブランディングなどのノウハウやアイデア力も必要になります。
ホームページ制作にWebディレクターが必要な理由3つ
ホームページ制作にディレクターが必要な理由を具体的に3つピックアップしました。
ホームページのクオリティを担保するため
前項でも記載しましたが、ホームページのクオリティ担保とは、つまり品質管理のことです。
品質管理はプロジェクト全体を把握しているディレクターの重要な役目です。
クライアントから出された要望、要件を満たしたサイトになっているか、仕様や機能に問題はないか、などのチェックを行います。
ホームページの制作は複数人で進んでいくため、作る人によって表記やデザインに違いが出ると統一性が失われます。
そうならないように事前にガイドラインを設定し、ディレクターが細かくチェックを行うことで、一定の品質を保つことができるのです。
スムーズに制作を進めるため
突然納期が変わった、要件を少し変更したい、デザインをやり直したいなど、プロジェクトの進行中はさまざまな事態が起こります。トラブルのたびにパニックになっていては制作は進みません。
ときにはデザインとシステム業務を並行して行う必要がある場合もあります。
テキストが入ります今一番何をするべきか、どこを調整するべきかをディレクターが判断することで、スムーズに進行できるのです。
発注元の要望をもとにホームページを最適な方向に導くため
発注元の担当者目線だと「競合他社がこうしているから」、「当社はこれを押しているから」などと考えがちですが、ディレクターはさまざまな業界のホームページを見てきているため、相談してみるとさらに良い提案がもらえることがあります。
競合他社と差別化するためにもディレクターに相談してみましょう。
ディレクション費とWebディレクターの重要性まとめ
ディレクション費はディレクターの稼働にかかる費用、そしてディレクション費がどのような業務でできているかを解説させていただきました。
- ホームページの実制作費の10%~30%をディレクション費として設定する方法
- ディレクターが稼働する日数に単価をかけて設定する方法
ディレクション費は前述した2通りの算出方法があります。
そしてディレクターの具体的な業務についてもおわかりいただけたのではないでしょうか。
ディレクション費を「よくわからないから削る!」と安易に判断してしまうと、旗振り役がいないまま制作が進んでしまうことになります。
ディレクターが必要な理由は、以下の3つです。
- ホームページのクオリティを担保するため
- スムーズに制作を進めるため
- 発注元の要望をもとにホームページを最適な方向に導くため
上記を考慮すると、ディレクターの存在は必要不可欠です。ホームページ制作の際はディレクション費の中で何をしてくれるのかをきちんと把握しておくと良いでしょう。
また、ジーピーオンラインでは、Webサイト制作の経験を積んだディレクターがお客さまのサイト制作を伴走サポートいたします。円滑にプロジェクトを進行してほしい、公開までしっかりとサポートしてほしいという方はぜひお気軽にご相談ください。
WRITERぱら 広報
コンテンツマーケティング会社でSNS運用を経験したのち、2018年にジーピーオンライン入社。Webサイト制作に関する情報をWeb担当者さま目線で分かりやすくお伝えします。