こんにちは、ジーピーオンラインのさえです!
Webページを上位表示させるためには、SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)をおこなうことが求められます。しかし対策としてあげられる事柄は多岐に渡り、効果の高いものから低いもの、現在では逆効果なものまでさまざまあります。諸説ありすぎて、情報が整理できなくなっているというWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
SEOの仕組みを理解しないまま手当たり次第に取り組んでいては、掛けた時間分の効果は得られません。そこで今回は、SEO対策の基本について解説していきます。
もくじ
SEO対策とは
SEOとは「Search Engine Optimization」の略称で、検索エンジン最適化のことを指します。特定のキーワードを入力したときの検索結果の順位でWebサイトが上位表示されるために必要な取り組みです。検索順位とWebサイトの訪問数には密接な関係があるため、Webでの集客を増やしたいなら必ず対策をしなければなりません。
SEOについて下記3つのポイントから詳細を解説します。
- SEOのメリット
- 掲載順位が決定する仕組み
- アルゴリズムアップデートの歴史
SEOのメリット
SEOには主に以下のようなメリットがあります。
- Webサイトへの流入が増える
- 認知度が向上する
- 新規顧客を獲得できる
- 資産として蓄積される
Webサイトへの流入が増える
SEO対策をおこなうと、サイトを評価する巡回プログラム「クローラー」から正しく自社サイトを評価してもらえるようになります。クローラーから評価されて上位表示されるようになれば、流入するユーザーの数も増えます。
さらに、検索エンジンに最適化されたWebサイトはGoogle Discoverに表示されやすい状態ともいえます。Google Discoverとは、スマートフォンのGoogle専用アプリやブラウザのGoogle検索のトップ画面に表示されるコンテンツです。そのため、自然検索以外の新たな流入経路をつくることにもつながります。
【関連記事】Google Discoverとは【コンテンツを表示させるコツも紹介】
認知度が向上する
コンテンツとユーザーの接触する機会が増え、認知度がアップします。
ユーザーが製品やサービスに関連する情報を検索した際に、自社のWebサイトを目にする頻度が高くなれば、そのカテゴリと自社のイメージが結びつくことが期待されます。また、行動心理学には「ザイオンス効果(単純接触効果)」というものがあり、人は接触回数が増えるにつれてその対象に好感をもつようになっています。したがって、繰り返しコンテンツが閲覧されればブランディングの強化につながる可能性もあります。
現在のSEOでは良質なコンテンツであることが必須となるので、有益な情報を丁寧に発信していれば「ここの情報なら間違いない」という信頼も得られるでしょう。
新規顧客を獲得できる
Webサイトを訪問する数が増えればコンバージョンに達するユーザー数の増加も期待でき、新規顧客獲得にもつながります。検索順位が低く、リスティング広告で流入数を増やしている場合、広告に代わるCV(コンバージョン)獲得施策となるでしょう。
オーガニックでの流入が増えれば広告費が不要となるので、ランニングコストを下げることもできます。コンテンツが上位表示されたあとにかかるコストは、基本的には情報のブラッシュアップのみです。
掲載順位が決定する仕組み
検索エンジンが掲載順位を決める仕組みは、「クロール」「インデックス」「ランキング」の3ステップに分かれます。
クロールとは、Google検索エンジンのロボット(クローラー)がWebサイトのデータを収集していく作業です。クローラーは各ページのリンクを辿ることで関連するページを読み込んでいきます。インデックスとは、収集したデータをデータベースに登録する作業です。Webページの品質に問題がなければ無事に登録され、目次のような形で保存されます。ランキングとは、検索エンジンのアルゴリズムをもとに実施されるランク付け(スコアリング)です。関連しあう複数の指標によってコンテンツが評価され、最後に掲載順位が決まります。
アルゴリズムアップデートの歴史
掲載順位を決定するGoogleのアルゴリズムはアップデートを続けています。「コアアップデート」と呼ばれるランキング処理の大幅な改良として有名なのは、2011年から2015年にかけてアナウンスされた「パンダアップデート」と、2012年から2016年にかけてアナウンスされた「ペンギンアップデート」です。
パンダアップデートは、現在のSEOでも重要なポイントとなっている「コンテンツの品質」に関する内容です。一方、ペンギンアップデートは「被リンク」や「スパム行為」に関する内容で、このアップデートにより後述する「ブラックハットSEO」と通称される行為は検索順位を上げる効果をもたなくなりました。
Googleは何度も改良を重ね、アルゴリズムの穴を突いた行為への対策などをおこない、ユーザーに高品質なコンテンツと快適な検索体験を届けることを目指しています。
2022年のコアアップデート
2022年9月現在、最新のアップデートは2022年5月26日にアナウンスされ、6月9日に完了したものになります。このアナウンス内でGoogleは以下のように案内しています。
コア アップデートは、Google 検索全般を改善し、ウェブの常に変化する性質に対応できるようにするための変更です。コア アップデートには、特定のサイトを対象とする変更はありませんが、以前のガイダンス「Google のコア アップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと」の中で言及されているように、サイト パフォーマンスに大きな変化が生じる場合があります。
「Google のコア アップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと」とは、2019年8月1日に公開となったアナウンスです。アップデートの影響を受け、問題のないページでも順位の下落がみられることがあることや、以下のようなことに言及しています。
- 優れたコンテンツ作りに集中すること
- 品質評価ガイドラインとE-A-T(現E-E-A-T)について
- 掲載順位の回復にかかる時間
つまり、今回のアップデートでもコンテンツの品質がより評価されるようになり、とくにE-A-T(Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)のこと)の基準を満たしているかどうかは厳しくチェックされるようになったと予想されます。
<参照サイト:Googleのコアアップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと | Google 検索セントラルブログ | Google Developers>
当社のGPブログは企業のWeb担当者の方向けのメディアのため、休日の影響を受けやすくなっています。季節要因も考慮すべきではありますが、5月末を機にブログ全体の平均掲載順位は20位を下回る状態になっています。つまり、2022年5月のアップデートでは評価はやや低下していると考えられます。
このように、同じようにコンテンツを同じように更新していても、アルゴリズムのアップデートにより掲載順位は上下することを押さえておく必要があります。
SEO対策の基本的な考え方
それでは、SEO対策の基本的な考え方を解説していきます。SEO対策として有効な方法は、変化し続けていますが、ここを押さえていれば大きく間違える心配はなくなるはずです。
- 「Googleが掲げる10の事実」
- 検索ユーザーの立場で考える
- 検索品質評価ガイド「E-E-A-T」
- YMYLコンテンツは難易度が高い
- 手順を理解して施策を打つ
- 絶対にしてはいけない「ブラックハットSEO」
「Googleが掲げる10の事実」
Googleが策定している「10の事実」は、Googleが何を重視し、どのように行動していくかを記した10項目のテキストです。
その中でSEO担当者が押さえておきたい内容は大きく以下の3点です。
- Googleはユーザーの利便性を第一に考えている
- サービスリリース時は処理スピードを念頭に置いている
- Webサイトに貼られたリンクを基準にコンテンツの重要性を判断する
これらの「利便性」「スピード」「リンク」はコンテンツを最適化する上でもキーワードとなり、この先のアルゴリズムアップデートにおいても重視され続けると考えられます。Googleにおける重要な指針のため、ぜひオリジナルの文章を読んでみてください。
<参照サイト:Googleについて>
検索ユーザーの立場で考える
Googleが目指している検索エンジンのあり方として、検索ユーザーにとって価値のあるWebサイトを優遇するというものがあります。そのため、コンテンツを作る際には、「検索ユーザーが必要な情報とは何か?」を意識することが肝心です。
特に検索ユーザーは他サイトでも記載されているような内容には興味を示しにくいので、記事にはオリジナル性を含め、検索ユーザーが求めているページを作成する必要があります。
Googleが掲げる検索品質評価ガイド「E-E-A-T」
SEO対策をおこなう上で事前に知っておきたいのが、Googleが提唱している検索品質評価ガイドライン「E-E-A-T」を理解しておくことです。E-E-A-Tとは、Expertise(専門性)・Authoritatives(権威性)・Trustworthiness(信頼性)を意味しており、ページの評価を決める上で重要な要素となっています。
この指針をもとに、Googleでは有益かつ信頼性の高いコンテンツを評価し、検索結果の上位に表示させています。したがって、一般的で新規性のない情報や、根拠のないデマ、低品質なコンテンツは制作してもGoogleからは評価されません。確かな情報でも、一つのWebサイトにさまざまなジャンルの情報を浅く広く載せているものも評価されにくいので注意が必要です。
【関連記事】SEOで重要なE-E-A-Tとは?Googleの評価基準を分かりやすく解説
YMYLコンテンツは難易度が高い
YMYLとは「Your Money Your Life」の略で「金融」「法律」「医療」など、ユーザーの生活に大きな影響を与えうるWebページを指します。GoogleはYMYLに該当するWebページには通常よりも厳しいガイドラインを設けており、評価を得るのは難しいとされています。
YMYLコンテンツのランク付けの要素に「専門知識またはそれに応じて提示するページの信頼性」があるといわれています。SEOを始める前に、Webサイトがこのジャンルに該当するかどうかは確認しておいたほうがよいでしょう。
【関連記事】YMYLとは?SEOに効果をもたらす対策方法10選も紹介
手順どおり実施する
SEOの作業は大きく以下の4つに分かれます。
- キーワード選定
- コンテンツ設計
- 内部施策
- 外部施策
内容は後ほど詳しく解説しますが、可能な限り上記の順番で作業をおこないましょう。つまり、適切なキーワードで高品質なコンテンツを制作したのちに、外部施策に入ります。最初から外部施策をしても、中身が伴わなければ効果は十分に発揮されません。施策の効果を最大化させるためにも、実施には順番があることを念頭に置いておいてください。
絶対にしてはいけない「ブラックハットSEO」
SEOの中には禁止されている手法があります。それが「ブラックハットSEO」と呼ばれるものです。Googleアルゴリズムの穴を突いて不正に掲載順位を獲得する行為を指し、以下のようなものが含まれます。
- キーワードの乱用
- 隠しテキスト
- 自動生成
- コピーコンテンツ
- 外部リンクの購入
- 代替テキストへのキーワードの乱用
- スパムコメント
- クローキング
- ワードサラダ
- 悪意のある動作を伴うページの作成
現在はアルゴリズムがアップデートされ、このような手法をおこなっても上位表示は狙えません。反対にガイドライン違反としてペナルティを受けますので、該当する行為をしていないか注意してください。
【関連記事】ブラックハットSEOとは【絶対に使用してはいけない対策10選も紹介】
SEOの基本的な方法
SEO対策の作業には「キーワード選定」「コンテンツ設計」「内部施策」「外部施策」があることをご紹介しました。ここではそれぞれの作業の概要を解説していきます。
キーワード選定
キーワード選定では、どんな検索語句での流入を想定したコンテンツを作るのかを決定します。自然検索からの流入を狙うのであれば、ここを間違えると意図したユーザーにコンテンツが届かなくなります。コンテンツ制作の前には必ず適切なキーワードは何かを設定しましょう。
コンテンツ設計
選定したキーワードの検索意図に沿って、検索したユーザーが求めている情報をコンテンツに盛り込んでいくのがコンテンツ設計です。どんな内容を、どんな順番で見せるのか、どんなふうに表現するのかなども併せて検討します。既存の競合ページも参考にしますが、他社サイトをなぞるのではなく、自社だからこそ適用できる価値を出していくことがポイントとなります。
内部施策
内部施策とは、自社のWebサイトの構造や内容を見直して評価を改善してくことです。サイトを巡回している「クローラー」が、評価しやすい作りになるだけでなく、ユーザーも欲しい情報に早くたどり着けるようになります。
内部施策で押さえておきたい視点は以下の3点です。
- クローラビリティ(クロールされやすいサイト作り)
- ページスピード(読み込みの早いサイト作り)
- ユーザビリティ(ユーザーにとって使いやすいサイト作り)
外部施策
外部施策とは、自社のWebサイトへのリンク(被リンク)を増やすことです。外部のWebサイトにリンクが貼られることで、その外部サイトに訪問したユーザーからの流入が見込めます。また、Googleからの評価が高いサイトで引用されることがあればクローラーからの評価の向上が期待できます。
記事の後半で具体的な施策も紹介しますが、重要なのは「コンテンツが有益であってこそ効果が上がるのが外部施策」ということです。低品質なコンテンツでいくらユーザーの目に触れようとしても良いアクションを得ることはできません。良いコンテンツがより多くのユーザーの目に触れて初めて記事の共有や引用、SNSでの拡散が発生するということを押さえておきましょう。
キーワード選定の基本
キーワード選定の方法について、以下の5点から解説していきます。
- 適切なキーワードを選ぶ
- 網羅性を高める
- 一つのトピックのコンテンツを厚くする
- コンテンツの重複を避ける
適切なキーワードを選ぶ
キーワード選定は通常、Googleキーワードプランナーやサジェストキーワード検索などのツールを用いてキーワードをピックアップし、検索ボリューム(検索数)や競合性などを参考に分類しながらおこないます。
検索ボリュームが大きいキーワードは、ニーズが多いことを意味しますが、競合も同じように狙っている可能性(競合性)が高く上位掲載を狙うのは難しくなります。
そのため、コンテンツのフェーズによっては検索ボリュームが少なく複数の単語からなる「ロングテールキーワード」でコンテンツを作成する方が効果的な場合もあります。こうした状況やキーワードの性質による見極めがキーワード選定には必要です。
【関連記事】検索ボリュームの調べ方|正しいキーワード選定方法も紹介
【関連記事】ロングテールキーワードとは?選び方を3STEPで紹介
【関連記事】Googleサジェストとは?表示の仕組みと活用方法【徹底解説】
網羅性を高める
情報に抜け漏れがあると、必然的にユーザーは他のWebページを参考にしなければならなくなります。関連する内容でまだ記載できていないものがあれば追加していきましょう。あまりにも長くなる場合などは、トピックを抜き出して別のページを作成し、リンクを貼って遷移できるようにするのもおすすめです。
付け足せる情報がうまく見つからない場合は、キーワードの共起語を探ってみてください。共起語とは、特定の語句と一緒によく使われる語句のことです。それがコンテンツに含まれていないということは、必要な情報が抜けている可能性があります。
【関連記事】共起語とは?【おすすめの共起語調査ツール4選も紹介】
一つのトピックのコンテンツを厚くする
SEO対策に力を入れている競合が多い場合、キーワードによっては1ページでは上位表示が困難な場合があります。その際は、関連するページを複数作成し、相互にリンクさせることで対応します。
当社の「SEO対策」に関する記事を例に挙げると、「検索順位を上げる方法」、「コーポレートサイトのSEO」、速度改善に関連した「Core Web Vitalsとは」、そしてこの「SEO対策の基本」などの記事が存在しています。このように一つのトピックについてページを複数作成し、コンテンツを厚くすることでクローラーにそのトピックに詳しいページと判断してもらえます。
このように一つのトピックに関連する情報を複数コンテンツ化し、それらの入り口となるページ(ピラーページ)を作成して関連コンテンツへリンクを繋いでいく戦略をhubspot社の提唱している「トピッククラスター戦略」といいます。
コンテンツの重複を避ける
数コンテンツを作成する手法を紹介しましたが、その場合は重複に注意する必要があります。同じ内容やキーワードの記事を量産すると、自社のWebサイト内でトラフィックを奪い合う「キーワードカニバリゼーション」という現象が起こってしまいます。複合語でコンテンツを作成するロングテールキーワードを用いる際などはとくに他のコンテンツでも掲載順位を獲得できないかしっかり確認しておくことをおすすめします。重複は避け、うまくページを増やしていきましょう。
コンテンツ設計の基本
狙うキーワードの決定後、コンテンツ設計に入ります。ここでポイントになるのは以下の2点です。
- 検索意図に合ったコンテンツを作成する
- 独自性を出す
検索意図に合ったコンテンツを作成する
ユーザーが検索エンジンで何かを検索するときは、解決したい疑問や課題があるときです。コンテンツ設計をする際には、ユーザーが何を求めているか=検索意図を理解し、それに答えられるように組み立てていきましょう。
検索意図は大きく以下の4つに分かれます。
- KNOWクエリ
- GOクエリ
- DOクエリ
- BUYクエリ
検索結果の上位にあがっている記事からこれらを判断し、適切に設定していくことを意識してみてください。
【関連記事】検索意図の重要性・考え方を徹底解説【便利なツール5選も紹介】
独自性を出す
ユーザーに有益な情報を届けるには、他のWebサイトには掲載されていない、独自性のある情報が必要となります。たとえば独自に実施した調査の結果報告や、自社オリジナルのこだわりなどがおすすめです。
ただし、ユーザーにとって役立つ情報であることが前提となります。検索者のニーズをしっかり見極めて掴んでオリジナルの情報を追加していきましょう。
【関連記事】コンテンツSEOとは?メリットや手順を初心者向けに解説【成功事例あり】
内部施策の基本《クローラビリティ向上編》
それでは内部施策の実践方法を具体的に解説していきます。
- metaタグの最適化
- マークアップの最適化
- URL評価の統合
- クローリング対策
- モバイルファーストインデックス対応
metaタグの最適化
クローラーやユーザーに正しく情報を伝えるために、metaタグに記載する内容を適切なものにしましょう。metaタグとは、Webサイトの情報を記載するときに使用するタグのことです。
具体的に注意が必要なmetaタグは以下のようなものがあります。
- titleタグ
- descriptionメタタグ
- favicon
- ogpタグ
- keywordsメタタグ
この中でもtitleタグとdescriptionメタタグはSEOに密接に関係しています。ユーザーの欲しい情報が掲載されていることが伝わりやすい内容を最適な文字数で記載するようにしましょう。
マークアップの最適化
Webサイトのソースコードは、検索エンジンが理解しやすい構造で記述(マークアップ)しましょう。正しい構造で書くことで、Webサイトの情報が正しく伝わり、正しく評価してもらうことができます。最適化をおこなうことで、検索結果にも良い影響が期待できます。
大きく以下のような点があげられます。
- 構文解析可能なHTMLコーディング
- 文書構造に沿った正しいマークアップ
- 見出しは正しい順序で可能な限りテキスト化
- 画像に対するaltの設定
例えば、見出しにはh要素を、リストには<ul>を使用すれば、文章の親子関係を明確にクローラーへ伝えることが可能です。
また、リッチリザルト対応をしたい場合は、表示させたい情報に合わせて構造化マークアップをおこなう必要があります。
URL評価の統合
内容の同じページが複数URLある場合は、統合して検索エンジンからの評価の分散を防ぐ必要があります。
「内容の同じページが複数URLある」状況とは、以下のようなものが当てはまります。
- index.htmlあり/なし、wwwあり/なしのページが存在する
- PCとは別でSP用のURLがある
- サイズやカラー違いの類似した商品ページがある
上記のような場合は、canonicalタグと呼ばれるタグを記述することで統合できます。
また、アクセス自体を特定のページに統合する方が適切な場合は、301リダイレクトという処理をおこない統合することもあります。
【関連記事】Web担当者になったら知っておきたいリダイレクトの知識
クローリング対策
クローラーに巡回してもらいやすくする対策を打つことができます。
代表的なクローリング対策は以下の2つです。
- robots.txtの設置
- sitemap.xmlの設置
robots.txtでは、クロールが不要なディレクトリやページを記述することでサイト内の重要なコンテンツのクロールを優先させられます。sitemap.xmlはWebサイトに存在するページのURLをまとめて記述したファイルをサーバーにアップしておくと、リストを元にクローラーが効率よく巡回できるようになり、ページ数の多いWebサイトで有効です。
【関連記事】XMLサイトマップ作成ガイド【3種類の作成方法を徹底解説】
モバイルファーストインデックス対応
モバイルファーストインデックス(MFI)が採用され、スマートフォンユーザーへの対応は必須となっています。Googleでは現在、スマートフォンサイトをもとにサイトの評価をおこないます。モバイルフレンドリーテストと呼ばれるツールでWebサイトの現状を把握しながら、以下のようなことを実施してスマートフォンユーザーにとって使いやすいサイトを目指しましょう。
- PCサイトとスマートフォンサイトの違いをなくす
- ユーザーの導線を意識した導線設計
- 高品質の画像または動画を使用する
- ページの読み込み速度を改善する
- レスポンシブデザインを採用する
- モバイルエラーを常に把握する
- コンバージョンまでのプロセスを検討する
【関連記事】モバイルファーストインデックス(MFI)とは?影響と対応
【関連記事】モバイルフレンドリーテストってどうなの?デモページを作成して、検証してみた!
【関連記事】小さなことからコツコツと。Webサイトの評価を向上させるために実施しているSEO内部施策について紹介
内部施策の基本《ページスピード向上編》
ページの読み込みスピードもWebサイトの評価を決める指標のひとつです。
Googleは2021年5月からGoogle検索のランキング要因として「Core Web Vitals」を組み入れました。その中の指標の一つがLCP(Largest Contentful Paint)と呼ばれるページの表示速度を測るものです。このスコアが悪いとWebサイトの評価も下がる可能性があります。表示速度が遅いことでユーザーがページを閉じてしまうリスクを回避するためだけでなく、こうした理由からも、表示速度はWeb担当者が取り組むべき課題となります。
対策としては、以下のようなことがあげられます。
- 画像の最適化
- 動画の埋め込み
- Webフォントの最適化
- JS(JavaScript)の非同期読み込み
- サーバーの見直し
画像の最適化
ファイルサイズが大きすぎる画像は読み込みに時間がかかります。以下の手順を踏むことで適切な画像を表示させ、読み込みの負荷が軽減されます。
- 最適な画像形式の選択
- srcset・size属性の使用
- pictureタグによる出し分け
- 画像の圧縮
- widthとheightの指定
- 遅延読み込みの設定
- 非同期でのデコード処理
- LCP画像のプリロード
【関連記事】画像表示が重い?Core Web Vitals改善につながる画像の最適化を徹底解説
動画の埋め込み
動画ファイルをWebサイトのサーバーに置いておくと、ファイルサイズが大きい分読み込みを遅くする要因となります。掲載したい動画がある場合は、YouTubeなどにアップロードしたものをWebサイトに埋め込むのがおすすめです。
Webフォントの最適化
日本語のフォントは実はサイズが大きく、読み込みが遅くなります。レンダリングの遅延を最小限に留めるには、不要なフォントやウェイトを読み込ませないようにしましょう。また、head内のなるべく上部でrel=”perconnect”を指定したlink要素で読み込むことも有効です。
JS(JavaScript)の非同期読み込み
JS(JavaScript)の読み込むタイミングを指定することで、ファイルの読み込みを効率化することができます。具体的には、deferを基本的には使用し、いつ実行されても問題のないファイルに対してはasyncを指定します。
サーバーの見直し
サーバー環境が原因で表示速度が遅くなる場合もあります。サーバーの回線速度、CPU、メモリ数などのスペックを見直してみましょう。また、共用サーバーから専用サーバーに乗り換えることで改善する可能性も考えられるので、上記施策をおこなってもなお改善されないときは検討してみてください。
【関連記事】UXの新指標Core Web Vitals(コアウェブバイタルズ)とは?計測方法から改善方法まで徹底解説
外部施策の基本《実践編》
外部サイトからの被リンクも、品質が低いWebサイトから受けるだけでは自社の評価も下がってしまいます。
以下のような施策をおこないながら、良質な被リンクを集めていきましょう。
- 参照サイトとして引用してもらえるコンテンツ作り
- プレスリリース配信など外部サイトへの露出
- SNSのシェアボタンの設置
参照サイトとして引用してもらえるコンテンツ作り
良質な被リンクを獲得するために、大前提として有益な情報を発信していなければなりません。先ほど解説した独自性や「E-E-A-T」にも通じますが、有用かつ独自の調査データや事例があれば、必然的に他のWebサイト運用者はそのページを参考にしたり引用したりすることになります。
「ページ数やPV数は増えてきたけど被リンクが増えない…」とお悩みの方は、「参考サイトとして使用したくなる内容になっているか」という視点で改善してみてください。
プレスリリース配信など外部サイトへの露出
企業が報道機関に向けて、新製品発売などの告知をおこなうことを「プレスリリース」と呼びます。
プレスリリース自体はSEOに直接影響を及ぼすことはなく、むしろGoogleはリンクにnofollowタグを付けて区別すべきとしています。しかし、メディアやユーザーからの関心が高いプレスリリースを配信することができれば、他のニュースサイトにも掲載してもらえることや他のメディア露出、ユーザーからの拡散などを期待できます。外部サイトへの露出は、他のWebサイトで取り上げてもらえるきっかけづくりとなります。
ただし、被リンク狙いで外部露出するというのは本来の目的としてはふさわしくありません。本来のメディア露出としてあるべき姿は見失わず取り組むことが求められます。
SNSのシェアボタンの設置
思わずシェアしたくなるコンテンツ作りも大事ですが、「シェアしたい」と思った時に気軽にできるようにWebページを設計することも重要です。TwitterやFacebook、noteなど、主要なSNSのシェアボタンはページの最初や最後に設置しておくことをおすすめします。とくに拡散性の高いSNSでのシェアが起これば、流入数の増加も期待できます。
SEO対策に役立つツール
ここまでご紹介してきたように、SEOにはさまざまな作業があり、手動では効率よく実施するのが難しくなります。
そのため、下記のようなツールを段階的に導入することがおすすめです。
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
- Googleキーワードプランナー
- Ahrefs
- SimilarWeb
上記以外にも、「キーワード調査ツール」「検索順位チェックツール」「SEO内部対策チェックツール」「SEO外部対策チェックツール」「アクセス解析ツール」「コンテンツSEOツール」などさまざまな作業に特化したツールがありますので、何をしたいのかを明確にしてぜひ自社に合ったツールを見つけてください。
【関連記事】SEOツール徹底比較|自社に最適なツールが見つかります
パフォーマンスが下がった?と思った時の確認事項
コンテンツを運用していると、流入数が伸びなくなった、サイト経由の引き合いが減ったなど、パフォーマンスが下がってしまうことがあります。そんな時は以下をチェックしてみてください。
- 下がったのはPV数か掲載順位か
- 検索数に変動はないか
- 検索結果の上位サイトに変動はないか
- アルゴリズムのコアアップデートはなかったか
下がったのはPV数か掲載順位か
まずは何の数値が下がっているのかを明確にしましょう。
例えば、平均掲載順位が下落しており、PV数に減少がみられる場合は、さらに平均掲載順位が下落した要因を更に考えていく必要があります。あるいは、平均掲載順位を維持しているにも関わらず、PV数が減少している場合は、検索数自体が減っていることやSERPsの変化などが要因として考えられるでしょう。
検索数に変動はないか
検索数が経れば、必然的に流入数は減少します。Google広告のキーワードプランナーなどのツールで検索ボリュームの推移を確認してみましょう。キーワードによっては季節に合わせて検索が増減するものもあるので、Googleトレンドで時期による推移も確認しておくと何か発見があるかもしれません。
検索結果の上位サイトに変動はないか
検索数が経れば、必然的に流入数は減少します。Google広告のキーワードプランナーなどのツールで検索ボリュームの推移を確認してみましょう。キーワードによっては季節に合わせて検索が増減するものもあるので、Googleトレンドで時期による推移も確認しておくと何か発見があるかもしれません。
アルゴリズムのコアアップデートはなかったか
アルゴリズムのコアアップデート実施日を境に減少が始まっている場合は、アルゴリズムの改変による影響を受けてアクセスが減少している可能性があります。この場合、アップデートの傾向を理解し、それに合わせてコンテンツを修正する必要があります。
ただし、コアアップデート後は掲載順位が変動しやすくなります。アップデート直後に下がっても、1か月後には持ち直すこともあるので慎重に経過を観察していきましょう。
当社の事例:GPブログ
SEOの事例として、当社のGPブログをご紹介します。
GPブログは2019年11月に運用を開始し、2023年1月現在で約200件の記事が公開されています。内容は企業のWeb担当者の方に役立つものを目指しており、Web制作に関する知識やアクセス解析、SEO、当社サービス「Web社内報」に関する記事などを発信しています。基礎知識だけでなく、デザイナーやエンジニア、ディレクターが現場に即した話題を記事にしている点が特徴としてあげられます。
アルゴリズムのコアアップデートによる影響
SEOの知識をもとに配信を続けているGPブログでも、コアアップデートの影響を受けていないわけではありません。2021年6月のアップデートをピークに、2021年7月には揺り戻しのように数値が下がり、2022年5月のアップデートでもアクセス数に影響が生じています。
GPブログにおけるこれまでの取り組み
GPブログでは、これまでに以下のような施策を実施してきました。
- ロングテールキーワードを狙った記事の作成
- 基本的な知識・ノウハウ記事の充実
- トピッククラスター戦略の導入
- 独自性の強化
- ページの表示速度改善
現在は基本的な記事が揃い始め、現在はより専門的な知識やノウハウを届けていくフェーズです。先日のコアアップデートの影響を受けた要因は、基本固めによる差別化の不足であると考察しています。
しかし、既存記事の独自性向上への取り組みはすでに始まっています。今後の取り組みと数値の変化は、折をみて都度GPブログでも取り上げたいと思います。
ジーピーオンラインのSEO対策水準
上記のように、自社サイトにおいてもSEOに取り組む当社では、お客さまのWebサイト制作においても下記項目を標準で対応しております。
- タイトルの最適化
- タグの最適化
- 画像のalt属性設置
- 適切なサイト構造
- モバイルファーストインデックスの最適化
- ページスピードの最適化
- Webフォントの最適化
- リソースの非同期読み込み
- UI/UX設計
- モバイルフレンドリー対応
また、以下においてもオプションとして対応が可能です。
- Lazy Loadの実装
- AMP対応
- 次世代画像フォーマット対応
- E-E-A-Tに沿ったSEOコンテンツ設計
- ランクブレイン最適化
- 強調スニペット対策
- リッチリザルト対応
- サーバー対策
- ボイスサーチ最適化
- アクセシビリティ対応
もし上記にない内容でSEO対策を強化したいとお考えの際も、お気軽にご相談ください。
正しいSEOでユーザーに情報を届けよう
SEO対策の基本について紹介してきました。SEOはキーワード選定、コンテンツ設計、内部施策、外部施策など多岐に渡るため、手順を踏んで対策をおこなっていくことが重要となります。
SEOで最も注力すべきは、ユーザーにとって有益で良質なコンテンツを制作していくことです。Googleのアルゴリズムは都度変化していきますが、SEO対策の基本を把握しておけば、アップデートが入ったとしても、慌てることはありません。まずは基本を理解した上で、コツコツ地道に改善していきましょう。
ジーピーオンラインでは、制作するWebサイトにおいてSEO対策を標準としておこなっております。Webマーケティングに注力されたい方、SEOを本格的に取り組んでいきたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
WRITERさえ Webマーケーター
制作会社で営業・Web広告運用を経験したのち、2019年にジーピーオンライン入社。SEOやアクセス解析を中心に知識やノウハウを発信していきます。