注目のオウンドメディアマーケティングとは? 目的やポイント・事例を解説

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注目のオウンドメディアマーケティングとは? 目的やポイント・事例を解説

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注目のオウンドメディアマーケティングとは? 目的やポイント・事例を解説

こんにちは、ジーピーオンラインのキタです!

オウンドメディアマーケティングは、今注目されてるマーケティング手法です。株式会社宣伝会議発行の専門誌『広報会議』通巻150号に掲載されている「オウンドメディア運用に関する調査」の結果でも、読者の8割以上がオウンドメディアに注目していると回答しています。

本記事では、オウンドメディアマーケティングの概要や目的、メリット・デメリットについて解説します。

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オウンドメディアマーケティングとは?

SEOやWebサイトブログなどの文字が書かれたインターネットのイメージ画像

オウンドメディアマーケティングとは、商品やサービスとは切り離した自社保有のオウンドメディアを活用したマーケティング手法のことです。従来の広告を中心としたマスマーケティングとはプロモーションの主体が異なります。一般的に以下のような企業運営のWebサイトやメディアを指します。

  • コーポレートサイト
  • 採用サイト
  • ブランドサイト
  • ブログ
  • SNSアカウントページ(FacebookやTwitterなど)

広告による集客が難しくなってきている今、単なる商品の紹介サイトだけではマーケティング手法が限られてしまいます。そのため、オウンドメディアを使い、自社ブランドや商品・サービスに関する幅広い情報を発信して、ユーザーとの接点を増やす企業が増えています。

オウンドメディアマーケティングの目的

オウンドメディアマーケティングの目的は、企業や商品・サービスに対する理解促進と見込み顧客へ向けたブランディングです。
『広報会議』通巻150号の「オウンドメディア運用に関する調査」の結果で、オウンドメディアに期待する項目として「企業イメージ向上・企業ブランディング」が1番にあげられるほど、多くの企業が注力しています。運営や成果を実感するまで時間はかかりますが、企業イメージが向上し、企業ブランディングができれば、ユーザーのエンゲージメントも高まります。ユーザーと長期的な関係を築くことも可能で、潜在顧客を見込み顧客へ、見込み顧客を顧客・優良顧客へ育成することができます。

マーケティングにおけるオウンドメディアの活用方法

オウンドメディアは、企業とユーザーの接点となる「トリプルメディア」のひとつです。
トリプルメディアとは、「オウンドメディア」、認知・集客のために広告費を支払って利用する「ペイドメディア」、ソーシャルメディア(SNS)などで広く拡散し、信頼や評判を獲得する「アーンドメディア」の3つのメディアを合わせた総称です。

オウンドメディアは自社保有のメディアで、メディアのコンセプトや方針、集客方法、運用目的などをすべて自社でコントロールできるため、一般的に、企業が発信する情報のハブとして活用されています。具体的には、SNS投稿(アーンドメディア)などでオウンドメディアの内容を発信したり、外部メディア(ペイドメディア)に広告出稿をしたりして、見込み顧客の獲得を図るといった活用方法があります。

オウンドメディアマーケティングとコンテンツマーケティングの違い

結論からいうと、オウンドメディアマーケティングは「戦略を実行するための手段」で、コンテンツマーケティングは「ユーザーを行動へ導くための戦略」というところが違います。

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値の高い情報を提供し、顧客ニーズを育成してファンとして定着させたり、購買へ結びつけたりする一連のコンテンツ戦略を指します。オウンドメディアマーケティングは、そのコンテンツマーケティングの一種です。

オウンドメディアマーケティングが注目される4つの理由

オウンドメディアマーケティングが注目されている理由について、見ていきましょう。

従来のWeb広告効果の限界

オウンドメディアマーケティングが今注目されている背景には、ペイドメディアなどのWeb広告が通用しなくなってきている実情があります。
以前はWeb広告に対するハードルが低く、一定のクリックや効果が期待できたため、WebマーケティングにおいてWeb広告は集客施策の主流でした。

しかし、Web広告の数が増えすぎたことにより、今はネガティブな印象を持つユーザーが増えています。実際、広告をスルーしたり、非表示にしたりする人が多く、Web広告を使った集客や成果が以前より得にくくなってきていることから、ユーザーに情報を押し付けないオウンドメディアを活用したマーケティングが注目されているのです。

広告費の適正化

オウンドメディアは、SEO対策をして自然検索で上位に表示されれば、低コストで流入を増やせます。
これまで主流だったPPC広告(Pay-Per-Click)は、集客の面において即効性がありました。しかし、PPC広告は高い予算が必要なケースが多く、長期的な視点ではSEOと比べて費用対効果が悪くなります。そのため、広告費の高騰を抑え、適正化を図る目的で、オウンドメディアを重視した方針へシフトする企業が増えています。

自社の資産形成

オウンドメディアは、長期的に運用するほど企業の資産となることも大きな理由です。長期間掲載されるとコンテンツの鮮度自体は下がってしまいますが、オウンドメディアのコンテンツは、一度公開すると半永久的に残り、情報やデータが蓄積されていきます。資産となったコンテンツが公開されている限り、自社の商品・サービスへ誘導する入口は減ることがありません。SEO対策をして検索上位を維持できれば、継続的に見込み顧客を連れてきてくれ、安定的なアクセスも見込めます。

検索エンジン対策

オウンドメディアでは、企業の考え方や商品・サービスに関連した情報など、ユーザーのニーズに合う優良なコンテンツを制作するのが一般的です。制作した優良なコンテンツにSEO施策をおこなうことで検索エンジンから評価され、自然流入の増加が期待できます。

オウンドメディアマーケティングで得られる4つのメリット

オウンドメディアマーケティングで得られる4つのメリット

オウンドメディアマーケティングを取り入れることで得られるメリットを4つご紹介します。

独自コンテンツで競合他社と差別化できる

オウンドメディアに専門性の高い良質なコンテンツを蓄積することで、自社ブランドの構築ができます。ユーザーに対してその道のプロ・専門家という認識をさせることができるからです。専門家の情報は信頼や信用を得やすく、見込み顧客の購買行動を促すきっかけにもなります。有益な情報を発信する独自コンテンツを作成し、競合他社にはない魅力を押し出しましょう。

広告費用を抑えられる

顧客を生み出すコンテンツがストックされることで、検索やSNS経由からの自然流入が増え、結果的に広告費用を抑えながら、見込み顧客を獲得できます。ペイドメディアに依存した集客は、どれだけ集客できてもコストもかかります。しかし、オウンドメディアマーケティングをメインに取り組めば、広告に依存した集客から脱却が可能です。

顧客分析やロイヤリティ(ロイヤルティ)を高められる

オウンドメディアを訪れたユーザーの行動を分析することで、よりよいコンテンツ作りがおこなえるようになり、顧客のロイヤリティを高めることができます。顧客のロイヤリティが高まれば、他社と比較されにくく、継続的に利用・発注してもらいやすくなるため、ビジネスにおいて大きなメリットをもたらしてくれます。

発信内容をコントロールできる

オウンドメディアは自社保有・管理するメディアなので、発信内容をコントロールすることができます。広告メインではなく自然に自社の商品やサービスの強みや価値を提供できるところもオウンドメディアの大きなメリットです。提供したい情報やターゲットや切り口を、企業側が自由に決めてアプローチできるため、発信情報をコントロールし、上手くブランディングできれば、見込み顧客を顧客・優良顧客へと教育していくこともできるでしょう。

オウンドメディアマーケティングのデメリットは2つ

メリットの多いオウンドメディアマーケティングですが、デメリットもあります。ここでは、2つのデメリットをご紹介します。

オウンドメディアを育てるのに時間がかかる

オウンドメディアは、長期的なマーケティングとなるため、メディアを育ててマーケティング効果を得るまでに時間がかかるというところはデメリットと言えるでしょう。特に、オウンドメディアにおいて、もっとも時間がかかるのが独自コンテンツの作成です。外部のライターへお願いをして効率的にコンテンツ作成をし、オウンドメディアへ公開しても閲覧数に即効性はありません
アーンドメディアやペイドメディアと併用することで、短期的なアクセスは見込めますが、SEOの観点からすると、成果が出るまで忍耐強くコンテンツ開発をする必要があります。

継続が難しい

今注目のオウンドメディアマーケティングですが、継続的な運用には手間もコストもかかります。「思うような成果につながらず、オウンドメディアの重要性を理解してもらえない」「外部ライターなどへの費用がかかる」など、運用にあたって効果測定やコンテンツ制作の費用などに課題を抱える企業が多い状況です。
オウンドメディアのコンテンツ内容や目標設定などを自由にできるがゆえに、方向性に迷いが生じやすく、結果的に成果がぼやけてしまいやすいことも継続の難しさを感じさせる要因でしょう。

オウンドメディアマーケティングを始める際のポイント

ガントチャートとペン

オウンドメディアマーケティングのメリットを最大限に活かしつつ、デメリットを最小限に抑えるためのポイントを見ていきましょう。

【準備時点】最終目標達成までのプロセスを綿密に企画すること

準備の段階でまずやるべきことは、企業の課題達成のための計画を立て、段階的な目標設定をすることです。目標の達成状況を計測する指標となるのが、KPI(目標達成に向けたプロセスの中で設定する中間目標)KGI(最終目標となる重要業績評価指標)です。
メディア運用の目的を明確にし、ユーザーの行動履歴といったデータをもとにして、具体的かつ達成可能なメディア戦略と指標を立て、計画通りにひとつずつ進めていきましょう。

【コンテンツ作成時点】コンテンツの拡散を意識すること

コンテンツ制作時点におけるポイントは、拡散を意識することです。具体的な拡散の方法としては、シェアボタンの設置があげられます。ユーザーが「他の人にも教えてあげたい」「シェアしたい」と思ったときに、スムーズにアクションを起こせるのが理想です。
ただし、シェアボタンを設置しても、拡散したくなるような記事やコンテンツでなければ意味がありません。そのため、常にユーザーファーストで考え、競合他社と差別化できる独自性のある記事やコンテンツを用意することも念頭に置いてコンテンツ制作をしましょう。

【運営時点】豊富なコンテンツを用意すること

オウンドメディアのコンテンツを活用したマーケティングは、Web集客において非常に効果的な方法です。「どれくらいの記事コンテンツを用意すべきなの?」という疑問があるでしょうが、それに対する明確な答えはありません。ただ、コンテンツ数が多ければ多いほどメディアの入口を増やすチャンスはつくれます。

SEOの観点からいうと、50~100記事程度投稿したくらいから上位表示される記事が増えだすケースが多く見られます。そのため、長期的に運用になることを視野に入れ、計画的に質の高い記事コンテンツを作成していくことが大切です。

オウンドメディアマーケティングの立ち上げ方

オウンドメディアマーケティングの立ち上げ方

ここでは、記事コンテンツ作成までの一般的な流れについて紹介します。
あくまでも一例ですが、これからオウンドメディアを立ち上げるという人は、ぜひ参考にしてみてください。

①ゴールの設定

オウンドメディア運用で解決したい課題を明確にして、ゴールを設定します。何をもって目標を達成とするのか、基準をしっかりと定義しておくことがポイントです。

  • KGI,KPI設計
  • コンセプト設定

②ターゲットの設定

設定したゴールを達成するために獲得したいターゲットを決めます。自社ブランドや商品・サービスに興味関心のあるユーザーや購買意欲の高い見込み顧客をターゲットとするのが一般的です。

  • ターゲット設定
  • ペルソナ作成

③コンテンツ設計

②で設定したターゲットが必要としている情報を軸に、自社ブランドや商品・サービスの強みや魅力を伝えられるコンテンツテーマを設計します。

  • ユーザーシナリオ設計
  • キーワード設計

④スケジュールの作成

記事コンテンツの公開スケジュールを月ごとに作成します。更新が止まってしまうケースが多く見られるため、計画的な公開スケジュールが求められますが、途中で挫折してしまっては意味がありません。無理のない範囲の計画を立てるようにしましょう。

  • 公開スケジュール作成

⑤記事コンテンツの作成

最後に記事コンテンツを作成します。ユーザーとの接点を増やすという意味では、量産することも重要ですが、質も重要です。②で設定したターゲットが、シェアしたり、商品購入やサービス申し込みなどの行動に移せるような質の高いコンテンツを作成しましょう。

  • 構成案作成
  • ライティング実施
  • クリエイティブ作成
  • タイトル作成
  • ディスクリプション作成
  • 校正校閲

参考にしたいオウンドメディアの成功事例3選+1

最後に、参考にしたいオウンドメディアの成功事例を3つご紹介します。ゴールやコンテンツの設計で悩んでいる人は、一度目を通してみてください。

LIGブログ

LIGブログ

「LIGブログ」は、Web制作会社の株式会社LIG(リグ)が運営するオウンドメディアです。コンテンツ制作やシステム開発など、実践に活かせるWeb制作関連の情報を毎日のように更新しています。
自社のブランドや事業の認知拡大とWeb制作の申し込みを目的としたメディアですが、教育や地方創生など、Web・IT業界に関する幅広いテーマを配信しています。ビジネスマナーやセミナー、おすすめのスキルといった働き方のヒントになる情報も多く、ビジネスマンのバイブル的な側面も持ち合わせたサイトと言えるでしょう。

サイト名:LIGブログ
サイトURL:https://liginc.co.jp/blog

サイボウズ式

サイボウズ式

「サイボウズ式」は、サイボウズ株式会が2012年から運営する「新しい価値を生み出すチームのメディア」がテーマのオウンドメディアです。「カイシャ・組織」「働き方・生き方」「家族と仕事」のテーマで、働き方や業務に関するコラムやインタビュー記事を発信し、ブランディングすることで自社サービスの利用企業者数を獲得しています。

サイト名:サイボウズ式
サイトURL:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

mercan

mercan

「mercan」は、フリマアプリを運営する株式会社メルカリのオウンドメディアです。「メルカリの「人」を伝える」をテーマに、メルカリメンバーへのインタビュー記事や働く環境を伝えるコラムを発信しています。コンテンツは、企業やそこで働く人、プロダクトに対して理解・共感できる内容に仕上げ、徹底的に採用にフォーカスすることで、採用のマッチング精度をあげています。

サイト名:mercan
サイトURL:https://mercan.mercari.com/

GPブログ

GPブログ

最後にプラス1件として当社ブログもご紹介させていただきます。

まだまだ発展途上ですが、当社のブログはWeb担当者さまに向けて役立つ情報を発信していこうと2019年11月にスタートしました。Web制作業界で20年も会社をやっているのに(Web業界では長い方になります)まったく知名度がないという現状とクライアントワークでは結果を出しているのに自社のサイトはほったらかしという現状から、オウンドメディアマーケティングに力をいれはじめました。

2019年の9月と2021年9月を比べると、わずか2年で月間PV数824.17%UP、新規ユーザー数3,067.51%UPという驚異的な数字になりました。8割近くはブログ起因のアクセスアップとなります。

サイト名:ジーピーオンライン公式ブログ
サイトURL:https://www.gpol.co.jp/blog/

オウンドメディアマーケティングで企業価値を高めよう

オウンドメディアマーケティングの本質は、ただアクセスを集めるだけでなく、商品・サービスに対する理解を促すこと、つまり、見込み顧客へのアプローチやブランディングにあります。
オウンドメディアは、成果が出るまで時間をかけて育てていくことになりますが、発信する情報をコントロールでき、独自コンテンツを用意することで競合他社のサイトとの差別化が可能です。従来の広告手法のようなコストや知名度を必要としない新しいマーケティング手法で、企業価値を高めましょう。

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この記事の著者
キタ

WRITERキタ 広報

SEO業務をメインに担当。検索意図を汲み取ったライティングが得意です。

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