こんにちは、ジーピーオンラインのヒサナガです!
Webサイトのリニューアルや、Webサーバーの移設の際に耳にするDNSについては、新人ディレクターが最初につまずくポイントでもあります。そこでDNSへの理解を深めるために、業界未経験の新入社員向けに社内勉強会を開催しました。
本記事では、その勉強会の内容をWebサーバー周りのことに苦手意識のあるWeb担当者さまに向けて、優しく分かりやすくまとめました。ドメインやネットワークの仕組みの基本を知りたい方はぜひご覧ください。
もくじ
DNSとは
DNSとは、Domain Name System(ドメインネームシステム)の頭文字を取った略称で、「インターネットの住所録」をイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。正式に説明すると、ドメイン名とIPアドレスを対応づけたり、別のDNSを紐づけたりするシステムのことで、このシステムがないとブラウザでドメインを入力してアクセスしても何も表示されません。ちなみに、呼称はそのままで「ディーエヌエス」です。
DNSが必要な理由
コンピュータ一つひとつに割り当てられるIPアドレスはインターネット上での住所にあたります。「123.45.67.89」というようなピリオドで区切られた数字の羅列を見たことがある方もいるのではないでしょうか。これがIPアドレスです。しかし、数字の集まりであるIPアドレスは機械にとって分かりやすくても、ユーザーには意味をもたない数字の羅列で分かりにくいです。
また、IPアドレスの変更(住所の変更)があった場合に以前のIPアドレスではアクセスできなくなるなど不具合が発生します。それらを解決するために設けられた仕組みがDNSです。DNSサーバーを介してドメインとIPアドレスを関連付けることで、私たちユーザーは認識しやすいドメイン名でWebサイトにアクセスしたりメールを受信したりすることができ、コンピューター側は理解できるIPアドレスの形式でリクエストされているWebサイトの情報やメールサーバーの情報を見つけ出せるようになっているのです。
DNSの調べ方
DNSの情報を調べる方法はいくつかありますが、今回は「TECH-UNLIMiTED」というツールを使用する方法をご紹介します。
このツールは「WHOIS情報」と呼ばれるドメインの登録者を検索する際に使われるものですが、DNS情報も確認することができます。手順は下記です。
- TECH-UNLIMiTEDにアクセスする
- ドメイン名またはIPアドレスを入力する
- 「WHOIS情報を検索」をクリック
例えば、当社のドメイン(https://www.gpol.co.jp/)を検索するとこのように表示されます。
[ネームサーバー]を見ると4種類登録されていることが分かります。TECH-UNLIMiTEDではドメイン情報以外にも、担当者情報なども見ることができます。なお、検索結果の書式は上記とは異なる場合もありますので、このとおりの結果が出なくても、表示されや内容をよく読んで判断するようにしてみてください。
URL:https://tech-unlimited.com/whois.html
ドメインについて
前項で触れたドメインについて補足でご説明します。ドメインとは、インターネット上の住所を分かりやすくしたもので、多くの人に馴染みのある「○○○.com」や「○○○.co.jp」のような表記のものです。今お読みいただいている当社のWebサイトは「gpol.co.jp」がドメインとなります。
ドメイン名が分かりやすいと覚えてもらいやすいメリットがありますが、すでに取られているドメイン名は取得できません。早いもの勝ちになりますので、希望のドメインがある場合はできるだけ早く取得しておくことをおすすめします。また、○○○.co.jp、○○○.ac.jpなどの一部のドメインは1団体あたりひとつのみとなっていますので、その点も注意が必要です。
ドメインの構造
ドメインは階層構造になっています。トップが「ルート(root)」と呼ばれるもので、その下に「.jp」や「.com」が位置しており、例えば「.jp」の場合は、その下に「.ac」や「.co」と続きます。上位の階層がひとつ下の階層を管理する関係にあり、当社のWebサイトの場合は、「ルート」が「.jp」ドメインを管理し、その下の「.co」ドメインがそのまた下の「gpol」を管理しています。
DNSサーバーとドメイン
上述の通り、ドメインは階層構造となっており、上位が下位を管理する関係にあります。そしてDNSサーバーは1つだけではなく、各階層に存在しています。これを分散管理といいます。イメージとしてはフォルダの中にフォルダが入っている状態を想像してもらうと分かりやすいかと思います。詳しくは後述しますが、ドメインのリクエストを送信すると、その情報をもっているDNSサーバーにたどり付くまで上から順に複数のネームサーバーとのやりとりが発生します。
ドメインに使用できる表記
通常ドメインに使用できる文字はa~z、0~9、-(ハイフン)のみで、1文字目はアルファベットを推奨しています。大文字小文字は区別しません。日本語ドメインというのもありますが、システムによっては一部不具合が出る時があるので、理由がない限りあまりおすすめめしていません。
DNSとネットワークの仕組み
次に、検索画面で入力されたドメインが、DNSでどのように処理されて、Webサイトの情報を返すのかについて分かりやすく解説します。ドメイン(例「gpol.co.jp」)にアクセスするとまず、ルートのDNS(おおもとの)へ情報を取りに行くことになります。ルートはまず「.jp」のDNSサーバーをに聞くように指示し、「.jp」のDNSサーバーは「.co.jp」のDNSに聞くように指示します。「.co.jp」のDNSサーバーは「gpol.co.jp」のDNSサーバーに聞くように指示し、そこで初めて「gpol.co.jp」のIPアドレスを取得することができます。
そして今度はIPアドレスを元にWebサーバーへアクセスし、Webサイトを表示させるためのデータを受け取ってブラウザ上で組み立てることでWebサイトが表示されます。ドメインを入力してから表示されるまではほんの数秒ですが、その間に階層になったいくつかのDNSを経由してIPアドレスを取得し、さらにIPアドレスを元にWebサーバーへアクセスして必要なデータを取ってきています。厳密にはルートの働きを助けるDNSなどもありますが、まずはこうした流れを経てWebサイトは表示されているということを覚えていただければと思います。
DNS情報が必要なタイミング
普段Webサイトを運用している時には、DNSの情報や操作は必要ありませんが、以下のようなタイミングで必要になります。
- サーバー移設
- Webサイト新規構築
現状のサーバーが停止するようなトラブルに見舞われた場合や、事業拡大に伴いアクセス数が急激に増加し、今のスペックでは負荷に耐えられなくなった場合など、Webサイトを運用している中でサーバー移設をおこなうケースがあります。Webサイト新規構築の際には、ドメインも合わせて新規取得するケースが大半ですが、その際にドメインをWebサーバーに紐づける必要があります。
DNSの変更は、通常サーバー会社に依頼するか、Web担当者自身でコントロールパネルから切り替え作業をおこなう必要があります。当社でもお客さまにDNSの切り替えについてフォローさせていただいていますが、「誰が管理しているか分からない」「それなんですか?御社でやってもらえますか?」といった反応をいただくことは少なくありません。DNSの切り替えが完了しなければWebサイトは表示されませんので、事前にしっかりと確認するようにしてください。
DNSの管理者が分からない時の対処法
DNSを誰が管理しているか分からない場合は、以下のようなやり方があります。
- TECH-UNLIMiTEDで検索して出てきた管理者に問い合わせる
- ドメインやサーバーの支払い情報を元に契約先を特定する
- 制作を依頼中のWeb制作会社に相談する
重要なことはできるだけ早く誰かに相談することです。DNSの切り替えができなければ、プロジェクトも完了することができません。分からないからといって放置せず、まずは「分からない」という状況を関係者間でできるだけ早く共有し、助けを求めるようにしてください。
DNSを理解してスムーズにリニューアルしましょう
Webサイトを閲覧したりメールの送受信をしているだけでは関わることの少ないDNSですが、IPアドレスとドメインを紐づける重要な役割を担っています。サーバーを移行することになった際やWebサイトを新規構築する際には、よく耳にする言葉になります。DNSのことが分からない、前任者からサーバー周りの情報が引き継がれていないという場合は、なるべく早く関係者に助けを求めるようにしてください。
ジーピーオンラインではサーバー移設を伴うWebサイトリニューアルのご相談も多数お受けしております。ぜひお気軽にご相談ください。
WRITERヒサナガ Webマーケーター
2000年より独学でWebサイト制作を経験したのち、2007年にジーピーオンライン入社。ディレクター、総務、広報、人事・採用などさまざまなポジションでの経験を活かし、Webサイト運用やWebマーケティングに関する情報を分かりやすく発信していきます。