こんにちは、ジーピーオンラインのケンです!
近年、ひとつのトピックを中心に関連コンテンツを構成する「トピッククラスター」がSEO戦略として注目されています。トピッククラスターはSEO効果だけでなく、コンテンツの構造整理もできるため、Webサイト運営者にとってメリットが多い手法ともいえるでしょう。
本記事では、企業のWeb担当者さまへ向けてトピッククラスターとは何か、メリットや作り方を解説します。
以下に該当する方はぜひお読みください。
- トピッククラスターとは何か知りたい
- トピッククラスターのメリットを知りたい
- トピッククラスターの作り方が知りたい
もくじ
トピッククラスターとは
トピッククラスターとは、特定のトピックを中心として関連性のある記事をグループ化する手法です。
メイントピックを扱う「ピラーコンテンツ」を作成し、これを中心にサブトピックである「クラスターコンテンツ」との間に内部リンクを設置します。これにより、特定のトピックを中心としたひとまとまり=「トピッククラスター」が完成し、ユーザーはこのトピックに関する情報を網羅的に収集しやすくなります。
以下で「ピラーコンテンツ」と「クラスターコンテンツ」を詳しく解説していきます。
ピラーコンテンツ
ピラーコンテンツとは、トピックのまとめとなるWebページです。主にトピックを包括するような、ビッグキーワードやミドルキーワードなどの検索ボリュームの大きいものがピラーコンテンツとして採用されます。
クラスターコンテンツ
クラスターコンテンツは、ピラーコンテンツを補足する個別記事です。ピラーコンテンツで扱ったトピックをさらに掘り下げるようなイメージです。
例えば「テレワークについて」をピラーコンテンツのトピックとして設定したのであれば、「テレワークで使用するツール」「テレワークのやり方」「テレワークのメリット」などがクラスターコンテンツとなります。
トピッククラスターが必要な理由
トピッククラスターが必要な理由は、下記の通りです。
- 関連するコンテンツ同士が独立していると情報収集しにくい
- コンテンツ間の関連性を考慮しないと重複コンテンツができやすい
- 単一コンテンツでビッグキーワードの検索順位の上位獲得は困難
トピッククラスターは、ロングテールキーワードでコンテンツを増やしていき、後々ビッグキーワードを狙うといった、基本的なSEO戦略と考え方は同じです。
しかし、ロングテールキーワードはコンテンツ間のカニバリゼーションも発生しやすく、重複コンテンツによって検索エンジンからの評価が下がる可能性があります。さらに、特定のトピックに対してどのような情報があれば十分に網羅できるのか把握するのも難しくなりやすいです。
トピッククラスター戦略にはカニバリゼーションリスクをカバーする効果があり、より良いメディアを目指す上で取り入れていきたい考え方といえるでしょう。
ただし、Googleは検索結果の上位獲得だけを目的に作成されたコンテンツに対しては否定的です。トピッククラスターの使用を推奨したり、利点を言及したりはしていませんので注意してください。
トピッククラスターのメリット
トピッククラスターを作成するメリットは下記2点です。
- コンテンツの構造整理ができる
- 網羅性が高まる
コンテンツの構造整理ができる
トピッククラスターを作成するとコンテンツの構造が整理できるメリットがあります。コンテンツが整理されていると、訪問したユーザーの導線がスムーズになり、回遊率向上にもつながります。
また、コンテンツの整理はユーザーだけではなく、検索結果を巡回するクローラーにとっても効果があります。ユーザーだけでなく、検索結果にもわかりやすいコンテンツを設計することで、Webサイト全体の評価を高めることにもつながるでしょう。
網羅性が高まる
トピッククラスターを作成するとWebサイトの網羅性が高まります。網羅性とは特定のトピックで検索したユーザーに対して、関連のある内容をより多く提供できているかということです。検索結果では、この「網羅性」が評価基準として、重要視されています。
つまり、ピラーコンテンツでユーザーが知りたい情報の概要を伝えて、さらにクラスターコンテンツで関連情報を提供すれば、自ずと網羅性が高まるということです。
トピッククラスターの作成方法を5STEPで紹介
トピッククラスターの作成方法を紹介します。
手順は下記5STEPです。
- トピックを選択する
- トピックについてキーワード調査
- クラスターコンテンツを決定する
- コンテンツの作成
- コンテンツを公開し内部リンクを追加
【STEP①】トピックを選択する
はじめに、トピッククラスターのトピックを設定します。トピックは、自社Webサイトに訪問するユーザーが興味を持ちそうなものから選定しましょう。検索ボリューム的には「ビックキーワード」「ミドルキーワード」がおすすめです。
ただし、トピックが広すぎないように選定する必要があります。
例えば「投資」をトピッククラスターとしたとしましょう。この場合、クラスターコンテンツとして「投資信託」「不動産投資」「外貨預金」などが適切ですが、各内容の概要程度しか紹介できないので網羅性のあるコンテンツを作成するのは困難です。
であれば、もう一段掘り下げて「不動産投資」をトピッククラスターとして「不動産投資 利回り」「不動産投資 基礎知識」などでピラーコンテンツを作成すれば、網羅性のあるコンテンツが作成できます。
【STEP②】トピックについてキーワード調査をする
続いて、トピックについてキーワード調査を実施します。STEP①で選定したトピックから関連するキーワードを取得します。キーワードツールやGoogleサジェスト(オートコンプリート)などでトピックを検索して、関連性のあるキーワードをメモしておきましょう。
【関連記事】Googleサジェストとは?表示の仕組みと活用方法【徹底解説】
【STEP③】クラスターコンテンツを決定する
STEP1〜2で得た情報をもとにクラスターコンテンツを決定していきます。諸説ありますが、まずはトピッククラスターではピラーコンテンツ=1記事につき「クラスターコンテンツ=5〜10記事」を目安としてみましょう。
また、クラスターコンテンツを決定する前に各キーワードの検索意図を確認し、コンテンツの重複が発生しないか、この段階で確認しておきましょう。クラスターコンテンツ同士でコンテンツの内容が重複するようであれば、統合して1つのクラスターコンテンツとして作成するのがベターです。
【関連記事】検索意図の重要性・考え方を徹底解説【便利なツール5選も紹介】
【STEP④】コンテンツの作成
続いて、コンテンツを作成していきます。コンテンツは必ず「クラスターコンテンツ」→「ピラーコンテンツ」の順番で作成するようにしましょう。
また最後にピラーコンテンツを作成するときは、必ずクラスターコンテンツで掘り下げた内容を記載するようにしてください。ピラーコンテンツは、あくまでトピックの概要を紹介するコンテンツとなるため、文字数は少なめとなります。
【STEP⑤】コンテンツを公開し内部リンクを追加
最後に、コンテンツを公開し、内部リンクを追加していきます。ピラーコンテンツには、作成したすべてのクラスターコンテンツの内部リンクを設置する必要があります。
例えば「不動産投資」をトピックとして、下記内容をクラスターコンテンツとした場合の例を紹介します。
- 不動産投資 メリット
- 不動産投資 基礎知識
- 不動産投資 成功率
- 不動産投資 利回り
- 不動産投資 始め方
ピラーコンテンツの構成と内部リンクは下記のようなイメージです。
<h1>【初心者向け!】不動産投資の完全ガイド</h1>
<h2>不動産投資とは?基礎知識を紹介</h2>
→ピラーコンテンツ「不動産投資 基礎知識」への内部リンク設置
<h2>不動産投資のメリットとデメリット</h2>
→ピラーコンテンツ「不動産投資 メリット」への内部リンク設置
<h2>不動産投資の成功率はどれくらい?</h2>
→ピラーコンテンツ「不動産投資 成功率」への内部リンク設置
<h2>不動産投資における利回りの種類</h2>
→ピラーコンテンツ「不動産投資 利回り」への内部リンク設置
<h2>不動産投資の始め方</h2>
→ピラーコンテンツ「不動産投資 始め方」への内部リンク設置
トピッククラスターの具体例
例として、当社のGPブログにおけるトピッククラスターを1つご紹介します。
当社には、セミオーダーでWeb社内報を制作している「Web社内報サービス」があります。このサービスへの送客を目的として、「社内報」に関するトピックをブログで構築しています。
構成は以下のようになっています。
ピラーコンテンツ:
Web社内報サービス・ツールおすすめ8選
クラスターコンテンツ:
社内報の目的とは?意味のある社内報を作るポイント
社員が読みたいWeb社内報のコンテンツ|作成のコツとアイデアまとめ
社内報の書き方|読まれる文章のポイントを解説
参考にしたいWeb社内報の成功事例|読まれるメディア作りのコツ
Web社内報のネタ45選!ネタ切れの時の上手な探し方
わずか6記事ながら、2022年10月現在「Web社内報」として検索結果の1ページ目に表示されています。また、キーワードとしては広くなりすぎますが、紙媒体を含む「社内報」キーワードでも検索結果の2ページ目に位置できています。いずれの記事も平均掲載順位1桁を獲得しており、ピラーコンテンツもクラスターコンテンツも良い状態になっています。
コンテンツ制作の工程では各クラスターコンテンツの見出しを洗い出し、見出しの重複などを管理しながら作成をおこないました。そのため、各コンテンツの整合性が保たれ、効率よくクラスターを構成することができました。
トピッククラスター作成に便利なツール5選
最後に、トピッククラスター作成に便利なツールを紹介します。
- キーワードプランナー
- TACT SEO
- keysearch Beta
- ピラクラ
キーワードプランナー
キーワードプランナーは、Googleが提供するツールです。検索ボリューム調査、関連キーワードの取得、競合調査がおこなえるツールとなっているため、トピッククラスターを作成する上でのキーワード調査にピッタリのツールです。
URL:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
TACT SEO
TACT SEOは、SEO課題を自動抽出するツールです。キーワードのグルーピングや順位管理が可能となっています。また、キーワードグループの可視化に優れています。検索結果から同一ページで獲得できる可能性が高いキーワード同士をグルーピングする機能を搭載しています。
URL:https://tact-seo.com/
keysearch Beta
keysearch Betaは、キーワードのマインドマップが簡単に作成できるツールです。キーワードを入力するだけで、自動で関連するマインドマップを作成してくれるので、トピックを決定した後のキーワード調査に便利なツールとなります。
URL:https://kitsune-room.com/tools/keysearch/
ピラクラ
ピラクラは、トピッククラスターの競合調査に優れたツールです。メインキーワード(ピラーコンテンツ)と追加キーワード(クラスターコンテンツ)を入力すると、検索結果上から、同じトピックを狙っているWebサイトが確認できます。また、カニバリゼーションを起こす可能性なども表示されるので、トピッククラスターの方向性を確認したいときに便利なツールです。
URL:https://www.tsuyoshikashiwazaki.com/tools/pillar-or-cluster/
トピッククラスター戦略で検索結果の上位獲得を目指そう
トピッククラスターは、特定のトピックが相互リンクされたWebページです。「網羅性が高まる」「コンテンツが整理できる」といったメリットがあるため、SEO戦略として有効といわれています。
本記事でも紹介したツールを活用しながら、トピッククラスターを作成し、検索結果の上位表示獲得を目指しましょう。
ジーピーオンラインでは、SEOを考慮したWebサイト制作をおこなっております。Webマーケティングを強化されたい方、SEOにも注力していきたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
WRITERケン ライター
大手採用メディア運営企業にてWebコンテンツ制作に約10年携わった経験をもつコンテンツディレクター兼ライター。これまでの経験を活かし、有益なWebマーケティングに関する情報を発信していきます。