こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のヒサナガです!
「内定者同士のコミュニケーション醸成を図りたい」
「内定者のオンラインでのオンボーディングに悩んでいる」
内定者が入社後スムーズに定着し、早期に活躍してもらうために、オンボーディングを工夫したい人事・採用担当の方は多いのではないでしょうか。
ジーピーオンラインでは、独自に作成した「RPG風ワークショップ」を内定者のオンボーディングで実施し、内定者同士のチームビルディングや企業理念の浸透につなげています。
この記事では、RPG風ワークショップの詳しい内容や、開催後のポジティブな変化についてご紹介します。RPG風ワークショップの資料も最後にダウンロードできるようにしたので、ぜひご活用ください!
今回の記事はアドビ社のPR企画「みんなの資料作成」に参加して執筆しています。
もくじ
内定者のオンボーディングとは?
まずオンボーディングとは、新入社員が早期に活躍できるように実施する、一連の取り組みです。一般的には、受け入れから定着、そして戦力化までのことを指します。
内定者のオンボーディングの場合は、入社前の緊張感をほぐしたり、会社に定着しやすい環境をととのえたりする取り組みが中心です。
採用担当者にとっては、入社後に早期活躍してもらうまでが目標ですが、まずは入社前のタイミングで内定者の心理的なハードルを下げるという意味で、内定者オンボーディングはとても重要な役割を担っています。
昨今の採用現場におけるオンボーディングの課題
オンラインでの業務や採用が一般的になってきた現在。
多様な働き方を推進したり、遠方に住む人材の採用ができるようになった一方で、内定者とのコミュニケーション手段や、オンラインで内定者同士の距離を縮める機会にお困りではないでしょうか?
実は弊社でも東西の拠点で新卒採用を始めてから、同じような課題を抱えていました。コミュニケーション不足は、不要な内定辞退や早期離職につながります。
RPG風ワークショップがおすすめの理由
内定者懇親会やインターン、会社見学ツアーなど、課題解決のために有効な施策は数多くあります。弊社でも過去さまざまな施策を実施してきましたが、一番おすすめしたいのは弊社が独自に作成した「RPG風ワークショップ」です。
「RPG風ワークショップ」をおすすめする主な理由は以下の4点です。
- オンラインで開催できる
- 90分で完結する
- 初対面同士でもスムーズに実施できる
- 面接では分からなかった内定者の内面理解に役立つ
RPG風ワークショップの中身は?徹底解説
RPG風ワークショップが一体どのようなものなのか?詳しい内容や実施後の効果、そしてグループワーク誕生の裏話まで(!?)徹底解説します。
そもそも、なぜ私たちが、RPG風ストーリーに沿ったワークショップを企画したかというと、おそらく多くの参加者(内定者)にとってRPGは馴染みがあるため。また、簡易と言えど、世界観と設定があることで、没入感を与えることができるためです。
そして社長から、クリエイティブの世界観は「フォー・ザ・キング」(というゲームがあるようです)と言われた私は、なんとなく資料のカラーリングをあわせたのと、資料の中にはさむイラストをグループ会社のCGクリエイターに「フォー・ザ・キングみたいなポリゴンイラストつくって!」と発注し、オリジナルで作成してもらいました。
結果的にRPG風にしたことで、参加者を飽きさせず、集中して取り組んでもらうことができました。この点がRPG風ワークショップにおける一番の利点です。
実はこの資料の作成にあたり、私が徹夜で頭を悩ましたり、リハーサルをしては問題が勃発して天を仰いでは作り直したりといった裏事情のもと、いろいろなこだわりがあったりするので、以降の見出しの中でたまに紹介させてください。
実際のワークショップの様子をタイムテーブルに沿って解説
それでは、実際の資料をお見せしながらワークショップの流れをタイムテーブルに沿って解説します。
まず、3~5人でひとつのチームを作ります。Zoomのブレイクアウト機能を利用しているため上限である100チームまで同時開催が可能です。
次に、このワークショップに必要な時間についてです。ワークショップ自体は90分で構成されていますが、チーム数が多い場合やゆっくり丁寧に質疑応答を交えて進行すると120分ほどになります。その中でタイムテーブルは以下の7つのシーンに分けて進行します。
- ワークショップの説明
- チーム紹介
- ワークショップスタート
- キャラクターメイク
- パーティの行動指針を決める
- 具体的なアクションプランを考える
- ?????
7つ目はまだ内緒です・・・
1.ワークショップの説明
まずはワークショップの座組を説明します。RPG風ストーリーに沿って3つの問いかけに答えていくという大筋と、チームで協力する必要があるという点を理解してもらいます。
次にどうやって進めていくのか、ワークショップの進め方がイメージできるように説明していきます。Web会議ツールであるZoomとGoogleスライドを使用して進めていくため、使い方をレクチャーしながらワークショップの進め方をイメージしてもらいました。
Zoomを使い慣れていない人もいるため、Zoomの基本操作についてや、ワークショップで使うブレイクアウトルーム機能についても説明します。また、よくあるトラブルを注意点として事前にアナウンスして、困ったときにどうするか、といった話もここで説明しておきます。
2.チーム紹介
チームワークが必要なワークショップになっていますが、いきなり自由に進めてもらうわけにはいきません。誰が仕切るのか、誰が発表するのか、個々にチーム内での役割を事前に設定しました。
実はこの役割を設定しておくというのがポイントです。初めましての段階で仕切りだすのって勇気がいったり、調子に乗っていると思われないかなど、心理的不安が少なからず発生します。事前に会社が役割を設定しておくことで、スムーズにコミュニケーションが進みました。このときに多少これまでの選考を通して、各々に向いていそうな役割にしておくこともポイントのひとつです。
3.ワークショップスタート
さっそく本篇がスタートです。イベント運営側としては進行役が1人、Zoomのコントロール役が1人、質疑応答チャット対応者が1人の合計3人いると安心です。
余談になりますが、記事の中に出てくるこのCGイラストたちは何度も社長にリテイクが繰り返されたイラストたちです。根気強く対応してくれたCGクリエイターには感謝しながら、なんとなくRPGっぽい雰囲気になってきました。バックグランドではこのために購入したゲームっぽい音楽がシーンごとにあわせて流れています。ストーリーを毎回読み上げるのが大変だったので、音声データをスライドに貼り付けて再生しましたが、ステキな声の方にリアルで読み上げてもらう方が良さそうです。
4.キャラクターメイク
まずは、キャラクターメイクです。「あなたはどんな人ですか?」という問いかけに対して、事前に用意された4つのキャラクターの中から選択します。
RPG風に4種類のジョブから選択しますが、ここでポイントなのが好きなキャラクターを選ぶのではなくて、自身の価値観や行動スタイルに一番近いキャラクターを選んでもらうように促すことです。そうすることで、自身の価値観や行動スタイルを深く考えてもらえる自己理解の場にもなります。
キャラクターの設定はソーシャルスタイル理論を応用して自作してみました。ソーシャルスタイル理論とは、人がコミュニケーションする際の特徴や行動パターンを4つのタイプに分類した理論です。
ソーシャルスタイル理論に出てくる4つのスタイルは「エミアブル」=薬草使い、「エクスプレッシブ」=斧使い、「アナリティカル」=弓使い、「ドライバー」=剣使いとなっています。このキャラクターのイラストもCGクリエイターにおまかせしました。個人的に薬草使いのお面が気になりますが、RPGの雰囲気が出ています。
ワークショップの最後には、ジョブカードの発表という場を設けて、「そのキャラクターを選んだ理由」を各自説明します。「あの人は薬草使いでしょう!」と思っていた人が実は「剣使い」を選んでいて驚くなど、自己理解だけでなく、他者理解にもひと役買ってくれるツールとなりました。
ちなみに、ジーピーオンラインの社内で実施したときの統計では、薬草使いが一番多く全体の38%、弓使いが30%、斧使い19%、剣使い12%でした。会社の特徴が現れますね。
5.パーティの行動指針を決める
次は行動指針を決めます。ここまでのストーリーを要約すると、酒場で出会った仲間たちと共に成長していく中で、試練が訪れたという流れです。
「隣村を壊滅させたモンスターの群れが、あと3時間でこの村にやってくる」という設定があり、村人全員の命を救うため、自分たちがどんな手段を取るかを話し合います。
ここでは事前に3つの選択肢が用意されています。「村人全員を逃がして救う」「モンスターを倒して村人を救う」「モンスターと交渉して村人を救う」の中から、各チームごとに行動指針を設定します。
ポイントはチーム内にいるキャラクター(ジョブ属性)の行動スタイルを考慮して話し合ってもらう点と「村人全員の命を救うことが前提」という目標の縛りを入れた点です。
平和を優先する薬草使いしかいないチームが「モンスターを倒す」というのは現実的に無理なんじゃないか?勝利を優先する剣使いが、本当にモンスターと交渉できるの?など思考してもらいやすくなります。縛りがある点は、いろいろな選択肢が出てしまいかねない点をなるべくストーリーへ沿わせるために必要なものでした。
というのも、我々の仕事は当然、日々限られた時間と予算の中で目標を達成しなければならないという大前提があります。その縛りの中で、参加者たちが自分たちの特性を生かして、最善の意思決定をするという経験は、参加者たちのこれからの業務に直結する体験だと考えるからです。
6.具体的なアクションプランを考える
最後に、具体的なアクションプランを考えます。ここではチームで決定した行動指針に沿って、20の行動カードを組み合わせていきます。
ポイントは行動指針に対して重要だと思う行動を3つしか選択できない点です。シンキングタイムも一番多めに設けて、チーム内で話し合ってもらいます。キャラクター特性+行動指針を踏まえて、具体的なアクションはどの組み合わせが良いか?という答えのない議論は白熱します。
ここで、ジーピーオンラインの社内で実施したときの事例をひとつ紹介します。
下記のチームLは弓使い+斧使い+薬草使い2名という比較的バランスの良いチームです。なのに、「腹ごしらえをする」を選んだチームは唯一でした。選んだ理由を見ると発想がユニークですし、なかなか肝が据わっているな、と感じました。
また、面接のときには気づけなかった「まさかそんなアイデアを出す人だったとは・・・!」という、参加者の意外な一面が垣間見えるのもこのワークの面白いところです。
正解のない発表にはなりますが、ワークショップを楽しめるようにゲーム要素を盛り込み、さらにファンタジーな設定にすることで常識にとらわれずに気軽な話し合いで合意形成を体験してもらえました。
企業側にとっては、参加者の特性や考え方、議論の進め方を見ることで、内定者との今後のコミュニケーションの取り方がイメージしやすくなります。「○○さんにはこういう業務を用意しておくと良さそうだな」「○○さんはあそこのチームに配属するのが良さそうだな」といった新たな気づきを得られました。
7.内定証書授与
実は今回弊社では、ワークショップの後に「内定証書授与」をおこないました。
ワークショップのその後として、村人たちを助けて感謝される中、長老から宝物を託されたという設定にし、宝の箱の中に入っていた羊皮紙が内定証書というストーリーです。
弊社がミッションとして掲げている「人とデジタルで“ありがとう”をつくる。」という考えをふんだんにストーリー設計に盛り込んでいます。
内定証書自体もかなり凝ったものになっており、内定者の名前をローマ字で刺繍しています。「"ありがとう"を紡いでいく。」という想いが込められており、触った時の質感が良いので、手にとってもらった時に「おぉー」という反応をもらえました。
内定者のみなさんには、まるでこのRPG風ワークショップが内定証書授与のために作られたかのように思われていましたが、この最後のオチは何にでも変えられます。
ワークショップ後に生まれた2つのポジティブな変化
後日アンケートを実施したところ、「RPG風ワークショップ」が思いのほか印象に残っていただけたようです。その中で、これまでにない変化だなと感じた点が2点あります。
緊張感どこいった?内定者側のポジティブな変化
内定者側のポジティブな変化として、ワークショップ前後で想像以上に緊張感がなくなっていた点です。ワークショップでは内定者同士だけでなく、配属先の責任者たちに「進行のお助けマン」として各チームに参加してもらいました。将来の上司がいるとコミュニケーションが取りにくいかなと懸念していましたが、そんな心配は不要でした。
実際のアンケートにも「ゲームのように楽しく緊張が和らいだ」という声もあり、ワークショップ後に開催した内定者同士の懇親会では、以前からの友達のように会話されていて驚きました。
メンター決定!企業側のポジティブな変化
実は今回、このワークショップの中で社内人事が同時進行していました。目的は内定者と相性の良いメンター(指導者)を決定すること。
ワークショップの「進行お助けマン」として各部署の責任者たちに参加してもらったのはそのためです。彼らは内定者たちの様子を見守りながら、現在の自部署のメンバーの中で、誰がメンターに適任かを考えていました。
各部署の責任者は当然、内定者のことを面接のときから知っていますが、「進行お助けマン」として自らも積極的にワークショップに参加することで、内定者をさらに深く知り、現在の自部署の中から内定者にとって最適なメンターを決定することができました。
このように、内定者にとっても、企業側にとっても、「RPG風ワークショップ」開催のメリットは大きいです。内定者のオンボーディングや、コミュニケーション不足にお悩みの会社さまがあれば、ぜひ「RPG風ワークショップ」を活用してみてください。
ワークショップをスムーズに進めるために便利なツール
さてここで、今回の「RPG風ワークショップ」の資料完成までにお世話になったPDF編集ツール「Adobe Acrobat オンラインツール」をご紹介します。
まず弊社の場合、WindowsとMacユーザーが混在しているため、デバイスの違いによる表示崩れを防ぐという観点から、PDFでデータを展開することがあります。
今回はワークショップ資料作成にあたり、Acrobat オンラインツールの「PDFを編集」機能を利用しました。複数人の関係者からフィードバックを受け取る必要があったのですが、この機能を使うと、オンライン上で同時にコメントをもらうことができます。また、文字では伝えにくいイメージを共有する際は、直接フリーハンドで書き込みすることも可能なため、短時間で資料をブラッシュアップできて大変便利でした。
他にも「PDFを圧縮」機能を使えば、渾身のCGイラストの画質を低下させることなく、データ容量を小さくすることができます。もちろん、参加者が資料をダウンロードする際の負担も軽減されます。ワークショップ開催にあたっては、内定者がワークショップに参加しやすい環境を整えることも重要なので、そういった意味でもAcrobat オンラインツールは重宝します。
最後にもう一度。
RPG風ワークショップの詳細を知っていただいた上で、改めてこのワークショップをおすすめする理由はこちらです。
- オンラインで開催できる
全員がオンラインで参加するため、遠方に住んでいる内定者とも同じ濃度でコミュニケーションを取ることができます。 - 90分で完結する
時間の制限があることで、参加者を飽きさせず、集中して取り組んでもらうことができます。逆を言えば、90分で世界観に入り込んでもらう為に、多くの人にとって馴染みのあるRPG風の設定が重要です。 - 初対面同士でもスムーズに実施できる
個々に役割が設定されているため、初対面の内定者同士でも緊張せずに参加してもらえます。また、自身の価値観にあわせてキャラクターメイクをするため、自己理解や他者理解にもつながります。 - 面接では分からなかった内定者の内面理解に役立つ
ゲーム感覚で取り組めるワークショップだからこそ、内定者の新たな一面を発見することが出来ます。さらに、既存メンバーも一緒に参加することで、入社前に心理的な距離を縮めることができます。
RPG風オリエンテーション資料をダウンロード
記事内でご紹介したワークショップ資料は、無料でダウンロードいただけます。自社の企業理念に沿って調整していただき、オンボーディング施策のひとつとしてぜひご活用ください。
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採用ブランディングまでまるっと相談可能
WRITERヒサナガ Webマーケーター
2000年より独学でWebサイト制作を経験したのち、2007年にジーピーオンライン入社。ディレクター、総務、広報、人事・採用などさまざまなポジションでの経験を活かし、Webサイト運用やWebマーケティングに関する情報を分かりやすく発信していきます。