大学・学校サイトリニューアルを成功へ導く5つのポイント

Web制作ノウハウ

大学・学校サイトリニューアルを成功へ導く5つのポイント

seno

WRITERsenoディレクター

  • TOP
  • ブログ
  • 大学・学校サイトリニューアルを成功へ導く5つのポイント

SAHRE

大学・学校サイトリニューアルを成功へ導く5つのポイント

こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のsenoです。

志望校を決めるにあたり、かつてはパンフレットやオープンキャンパスが主な情報源でしたが、今では受験生の多くはWebサイトも活用して情報を得て、大学の魅力を知り志望校を決めています。サイトのデザインや機能が古いままでは、大学の魅力を十分に伝えることは難しいでしょう。

そこで重要なのが大学・学校サイトのリニューアルです。大学・学校サイトは、受験生や保護者に最初の印象を与える、言わば「大学の顔」になります。

この記事では、数々の大学・学校サイトをリニューアルする中で気づいた、大学・学校サイトリニューアルにおけるポイントや注意点を実例を交えて解説します。これからリニューアルを検討している学校関係者の方々はぜひ最後までご覧ください。

大学サイトリニューアルの必要性

大学間における志願者獲得競争の激化

日本には、現在800校近くの大学があります。高度成長期の18歳人口の増加や高等教育の拡大から、大学数と学生数は増加傾向にありました。大学数の増加と入学定員の増加に伴い、大学の収容力は向上しました。

その一方で、少子化により、18歳人口は減少しています。大学数が増加した結果、大学受験者の9割以上が入学できる、いわゆる「大学全入時代」と呼ばれる状況です。高度経済成長期と現在では需給バランスが大きく変化し、大学間の志願者獲得競争は激化の一途をたどっています。

3.2高等教育機関の学生の状況|科学技術指標2022・html版 | 科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)

Webサイトは大学の「顔」

Studyplusトレンド研究所の高校生に向けた調査では、約8割がデジタルで大学の情報を得ていると回答しています。

Studyplusトレンド研究所

ユーザーが最初の情報収集にWebサイトを閲覧することは、もはや当然と言えるでしょう。入学志願者や保護者、在校生、卒業生、地域住民などに、広く情報発信ができるツールとして、Webサイトは非常に重要です。Webサイトでは、大学の理念や特徴、教育カリキュラム、研究活動、施設、教員、入試情報など、多岐にわたる情報を発信できます。

WebサイトにCMS(コンテンツ管理システム)を導入すれば、24時間365日、情報発信をすることも可能です。最新情報をいち早くステークホルダーに届けることは、大学への信頼性を高め、興味関心を惹きつける効果的な施策となります。大学に関する一次情報として、Webサイトから情報を取得することを念頭に置くとするのなら、一番に整備すべきツールではないでしょうか。

最適化されていないWebサイトが与える悪影響

総務省の調査によると、2022年のインターネット利用率は、13歳から59歳までの各年齢層で9割を超えています。この利用率からも、現代において情報収集のタッチポイントからWebサイトを除外することはできないと言えるでしょう。

  • Webデザインを最適化する
  • コンテンツ情報を最適化する
  • 導線設計を最適化する

デザインの経年劣化と、ユーザーの目的を達成できる情報や導線が整備されていないと、「イメージが良くない」「情報が得られない」といった不満を抱くでしょう。デザインの経年劣化は、大学のブランドイメージを損ない、「不信感」「不安感」「時代遅れ」「活気がなさそう」など、悪い印象を与えてしまう恐れがあります。

ユーザビリティが低いWebサイトは、ユーザーが求める情報にたどり着くまでのハードルを高め、結果としてサイトからの離脱率を高める要因となります。さらに、ユーザーエクスペリエンスが低いWebサイトは、大学自体のブランドイメージを低下させる可能性もあります。

大学サイトをリニューアルするメリット

Webサイトの情報が最新ではない、不足している場合は、ユーザーに大学の魅力を感じてもらえません。情報が不足しているということは「不信感」や「不安感」を与える状態にしてしまいます。

経年劣化した大学サイトのリニューアルは、ステークホルダーへの効果的な情報発信と、大学独自の個性や強みを明確に打ち出す絶好の機会です。リニューアルによって校風や特色を反映し、数年後の未来像を体現するデザインへと刷新することで、大学のブランドイメージ向上に大きく貢献します。

また、資料請求やオープンキャンパス申し込みなどの導線を最適化することで、ユーザビリティが向上し、コンバージョン率の向上が期待できます。Webサイトの使いやすさや情報アクセスの容易さを実現するユーザーエクスペリエンスの向上は、Webサイト全体の価値を高めることにつながります。

運用面でのメリットは、CMSの導入・改善をすることで、情報発信の柔軟性と即時性を向上させることです。常に最新情報を提供することで、ユーザーの信頼性、安心感、興味関心を高めることができます。
学内においても、Webサイト更新作業の効率化により、担当者の負担軽減、業務改善に直結します。

  • 大学情報の不足を改善できるようになる
  • ブランドイメージと昨今の学生にとって最適なデザインに刷新できる
  • 導線を改善してWebサイトが使いやすく刷新できる
  • CMSの改善で最新情報をスピーディに効率よく発信できるようになる

これらのメリットを通じて、志願者数の増加や在学生・卒業生・教職員のエンゲージメント向上が期待でき、効果的な情報発信は、大学全体のブランドイメージ向上にもつながります。

リニューアルを成功させる5つのポイント

私たちが考える大学・学校サイトリニューアルを成功させるためのポイントは以下の5点です。

  1. ターゲットへの正しい理解
  2. ブランディングと見やすさを兼ね揃えたデザイン
  3. 最適な情報設計やコンテンツ設計
  4. 適切なコンバージョン設計
  5. 最適な予算案の策定

通常のサイトリニューアルでも大切なポイントですが、学校サイトならではの視点を持ちながら進めていくことが大事です。詳しく解説していきます。

ターゲットへの正しい理解

大学・学校サイトは、サイトに訪問するユーザー層が多岐にわたることが特徴的です。例えば以下のようなユーザーが挙げられます。

  • 入学検討者(受験生)
  • 保護者
  • 卒業生
  • 在校生
  • 留学生
  • 一般企業
  • 地域の方々

このようにサイトで考慮すべきターゲットが多く、各ステークホルダーが持つ課題や要望をクリアにしていく必要があります。

例えば、保護者の場合は「自分の子供でも入学できるのか」「学費はどれくらいかかるのか」「卒業後の進路が知りたい」などが挙げられます。また、入学を検討している人の場合は「どのようなことが学べるのか」「学校の雰囲気が知りたい」「部活やサークルは何があるのか」などが挙げられます。

このようにサイトに訪問するユーザー層が多岐にわたり、尚且つ各ユーザーで欲しい情報も異なるためターゲットを正しく理解し、それら問題を解決できるサイトにしなければなりません。

大学サイトのステークホルダーが持つ課題と要望例

ブランディングと見やすさを兼ね揃えたデザイン

大学・学校サイトのデザインは、大学のブランドイメージを視覚的に伝える役割も果たします。デザインの経年劣化は、大学のブランドイメージを損ない兼ねないと前述していますが、大学のブランドカラーやロゴを効果的に活用し、大学の個性や校風を反映したデザインは、受験生に強い印象を与え、他校との差別化につながります。

一方で、デザイン性を追求するあまり、使いやすさを犠牲にしてはいけません。特に受験生や保護者など、Webリテラシーが異なるユーザーが利用することを考慮し、直感的に操作できるUIデザインにしておくことが重要です。

また、デザインの経年劣化スピードを防ぐため、トレンドを取り入れつつも、数年後も古く見えないタイムレスなデザインを目指すことも重要です。過度に流行を追いかけるのではなく、大学の伝統や価値観を反映した上で、現代的な要素を取り入れるバランス感覚が求められます。

最適な情報設計やコンテンツ設計

大学・学校サイトはWebサイトに掲載する情報も多くなりやすく、ユーザー層が多岐にわたるということは、サイトを使用するユーザーのWebに対するリテラシーもさまざまです。誰もが使いやすい導線設計、理解しやすいコンテンツづくりが必要です。

ここでは実例を交えながら情報設計やコンテンツ制作におけるポイントを解説します。

情報設計

さまざまな課題や悩みを持ったユーザーがサイトに訪問するため、各ユーザーに向けてどこに何があるのかをわかりやすく示すことが大切です。特にナビゲーションは最も注意して設計すべきエリアです。

総合学院テクノスカレッジ|ナビゲーションエリア

こちらは総合学院テクノスカレッジさまのメニューエリアです。「入学検討中の皆さまへ」「外国人留学生の皆さまへ」「保護者の皆さまへ」「在学生の皆さまへ」「卒業生の皆さまへ」「企業の皆さまへ」「地域の皆さまへ」と、各ターゲット用のメニューとページを用意し、迷うことなく適切な情報を与えるようにしています。

特徴・強みコンテンツ

特徴・強みページは自校のことを幅広いユーザー層に簡潔でわかりやすく伝えるために役に立つページです。

日本航空高等学校|特長ページ

こちらの日本航空高等学校さまの特徴ページは、案件開始当初お客さまの中でも明確に定まっていなかった特長や強みをヒアリングしながら制作したページです。他の学校の強みなども参考にしながら、自校の強みと一般的に通信制高校に求められるニーズ(通学スタイルの選択や、オンライン面談など)を反映しています。

ターゲット別のコンテンツ

大学・学校サイトのように、サイトに訪問するユーザー層が多岐にわたる場合、ターゲット別にページを制作してしまうのもよいでしょう。無理やり1ページにまとめようとすると、情報量が多くてわかりにくいページになりがちです。ターゲット別にページを制作することで、ページの導線もターゲット別に用意することになるので、訪問したユーザーからしても迷うことなく遷移できます。

以下は私たちが制作したターゲット別のページです。

入学検討者向けページ

日本航空高等学校|入学検討者向けページ

高等学校サイトの場合、入学検討者は中学生だけでなく、転入生や保護者の方、中学教員も見るページです。コンテンツは各ユーザーにあわせて情報を整理し、学校の特長と入学案内、オープンキャンパスページへの導線を設けてユーザーがスムーズに情報を得られるようにしています。

また、お客さまにヒアリングをしてみると、教員が中学校向けにおこなう学校説明会で、このページを見ながら説明したいとのご要望がありました。そこで、ページ構成は学校の概要・特長・アピールしたいポイント、最後に入学案内やオープンキャンパスの紹介といった、当日の説明の流れと合わせやすい構成にしました。

保護者向けページ

総合学院テクノスカレッジ|保護者向けページ

保護者向けページでは、充実した教育体制が整っていることをアピールしたり、将来はどのような道に進めるのかなど、安心感や信頼感、期待感を与えることが大切です。入学までの流れや、学費なども知れるコンテンツを用意しておくとより親切でしょう。

卒業生向けページ

日本航空高等学校 通信制課程|卒業生向けページ

お客さまからのリニューアル前の課題として1番多く挙げられるのが「必要な書類のダウンロードがどこからできるのかがわかりにくい」ことです。それに伴い、学校側への問い合わせの電話も多く、それに時間が取られてしまうことも多いようでした。PDFダウンロードエリアをわかりやすく整備することはもちろんですが、各種証明書や申請書のダウンロードや扱いに当たってどのような注意事項があるかもきちんと整理して掲載しておくのがよいでしょう。

適切なコンバージョン設計

大学・学校サイトのコンバージョンで重視されるのが「オープンキャンパス申し込み」です。お客さまの課題も「オープンキャンパスページへの流入増加」や「申し込み数増加」が多い印象です。その理由は、まずはオープンキャンパスやイベントに来てもらい、その場で入試案内をして受験してもらう流れが現場では主流になっているためです。また、オープンキャンパスや学校イベント当日に入試へのエントリーや面接が可能な学校もあるため、Webからの流入はかなり重要視されています。

コンバージョン設計の具体的な実施内容は、トップページにピックアップエリアを設置し、そのエリアの目立つ位置へオープンキャンパスのバナーを掲載することです。また、全ページに追従バナーとフッター上部に導線を設置したり、ハンバーガーメニュー内の目立つ位置へバナーを配置するなど、どのページからもオープンキャンパスページに遷移できるようなサイト構成にしています。

総合学院テクノスカレッジ|ピックアップエリア

注意点として、リニューアル後にピックアップエリアに掲載したいコンテンツが過剰に増える可能性があることです。設計時点でそのことも考慮しておくことが大切です。例えば最大掲載数を決めておき、時期にあわせて出し分けをするなどです。よくカルーセル形式でバナーを見せることがありますが、2枚目以降のバナーはほぼ見られないため、おすすめしません。

最適な予算案の策定

大学サイトのリニューアルを成功させるためには、適切な予算計画が不可欠です。予算が少なすぎると必要な機能やデザインが実現できず、多すぎると費用対効果が低下する恐れがあります。

まず、リニューアルの目的と優先順位を明確にし、それに基づいた予算配分を行いましょう。例えば、オープンキャンパス申し込みの増加が最優先なら、コンバージョン導線の設計やフォーム機能に予算を多く配分するなど、戦略的な予算配分が重要です。

また、初期構築費用だけでなく、運用・保守費用も含めた総所有コストを考慮することが大切です。CMSの導入により更新作業が効率化されれば、長期的には運用コストの削減につながります。

費用対効果を最大化する工夫については、下記記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

【関連記事】大学サイトの制作コストと予算案作成のコツを解説!費用対効果を最大化する7つの方法

大学・学校サイトならではの注意点3つ

ここからは実際に私たちが大学・学校サイトのリニューアル進行をして感じた3つの注意点を解説します。

  • サイト制作に活用できる素材について
  • スマートフォンの考慮について
  • システム、サーバーの管理について

サイト制作に活用できる素材ついて

大学・学校サイトはコーポレートサイトよりも人物写真(教員・学生)をサイト内に多く活用することになります。学生は卒業のタイミングが必ずあるため、掲載期間や卒業してからの写真の扱いについて事前に確認しておくのがよいでしょう。

また、多くの学校でパンフレットなどの広報ツールを用意しているため、パンフレットで使用している素材を支給してもらうようにしましょう。リニューアルに伴って新規で素材を撮影することもあるため、その場合の制作進行スケジュールも考慮しておきましょう。場合によっては、直接パンフレットの制作会社とも連携も必要になります。

スマートフォンの考慮について

これまでに携わった学校・大学サイトにおいて、サイトに訪問するユーザーの約8割がスマートフォンからのアクセスでした。そのため、サイト制作の過程においてスマートフォンも考慮しなければなりません。

プロジェクトにおいて、担当者は教員や広報の方になることが多いです。教員や広報の方々はほとんどPCでしかWebサイトを見ないため、ディレクターがスマートフォンでの見え方や注意点などをしっかり伝えてあげることが大切です。また、デザインフェーズにてスマートフォン版のデザインから見たいというご要望もあるため、事前に社内で確認しておくのがよいでしょう。

ユーザーの閲覧環境はスマートフォンが優先、お客さまの閲覧環境はPCが優先という状況で進行していくことになるため、その点に気をつけながら案件を進行しましょう。

システム・サーバーの管理について

サイトのリニューアル前は複数の制作会社でシステムやサーバーを管理していることが多いです。そこで、お客さまの学内の担当者や既存の制作会社へ問い合わせをおこない、ドメイン、サーバーの管理情報を確認しておきましょう。学校によっては、明確な担当者が存在しないこともあるため、キックオフ時など早めの段階で確認しておくのがよいでしょう。サイト内で個人情報を扱う場合はセキュリティ関連の情報も忘れずに確認しておきましょう。

大学・学校サイトリニューアルのまとめ

大学・学校サイトにおけるリニューアル成功のポイントや注意点を実例を交えて解説しました。リニューアル成功のためのポイントは以下の5点です。

  • ターゲットへの正しい理解
  • ブランディングと見やすさを兼ね揃えたデザイン
  • 最適な情報設計やコンテンツ設計
  • 適切なコンバージョン設計
  • 最適な予算案の策定

大学サイト特有の注意点としては、学生写真などの素材管理、スマートフォン対応(アクセスの約8割)、システム・サーバー管理の明確化が挙げられます。

大学サイトは多様なターゲット層や特有の課題を考慮した設計・運用が求められます。ターゲットに合わせた臨機応変なアプローチが成功への鍵となります。

ジーピーオンラインの大学・学校サイト制作

大学・学校、専門学校サイト制作サービス
大学・学校、専門学校サイト制作サービスの詳細を見る

少子化が加速している昨今、志願者獲得競争は激化しています。学校独自の個性や強みを明確に打ち出し、他校と差別化していくことが求められています。そして、学生・保護者に向けて正確に素早く情報発信をしていく重要性は、ますます増えるばかりです。学校サイトはそれらニーズを満たすための重要なツールを担っています。

ジーピーオンラインでは、これまで多くの学校サイトの制作に携わってきました。

学校サイトは年度更新といった定期的な大型更新も必要になります。私たちはお客さまと伴走する形でWebサイト運営チームをつくらせていただき、お悩みや課題を共有しながらWebサイト運用を共にすすめていきます。

サービス資料をダウンロードいただけます

Web制作会社をお探しの方へ向けて、当社のサービス内容を簡単にダウンロードできる資料請求フォームをご用意いたしました。

▼資料内容(一部)
-ジーピーオンラインについて
-ジーピーオンライン3つの力
-サイト作りのポリシー
-品質管理
-サービス紹介・実績

ジーピーオンラインサービス資料イメージ

資料請求フォームへ

この記事の著者
seno

WRITERseno ディレクター

新卒でシステムエンジニア、その後制作会社と事業会社でWebディレクターを経験し、2021年にジーピーオンラインに入社。コーポレートサイトや採用サイトのリニューアルをメインで担当し、2024年からはマーケティング業務も兼任。

関連記事
制作実績

制作実績一覧へ