
ホームページの制作もしくはリニューアルが決まったらコンペを開催するしないに関わらず、まず業者の選定を真っ先にされる方が多いのではないでしょうか。
もちろん業者の選定も重要ですが、並行して進めたいのがRFPの作成。
RFPとは提案依頼書のことで、発注元が発注先に提出する資料のことです。
とはいえ初めて作る人は具体的に何をどうやって書けばいいのかわかりませんよね。
この記事では、制作が決まったらまず準備したいRFPについて、そもそもRFPって何?という点から具体的な項目まで詳しく解説します。
RFP(提案依頼書)って何?
RFPとは「Request For Proposal」の略で、日本語で提案依頼書のことを指します。
その名のとおり、提案を依頼するときに発注元が発注先に提出する資料のことです。
なぜ料金を払う側がわざわざ資料を作って提出しなければいけないのか、と思われるかもしれませんが、RFPを作成する目的の大部分は次の通りです。
依頼をする背景、現状の課題、要望をクリアにして、制作会社にクオリティの高い提案をしてもらうため
RFPは上記のような背景、要望、課題、提案してほしいことなどがひとまとまりになっている資料のことです。
思いつくままに口頭で要望を出すと伝え漏れがあったり、言った言わないなどのトラブルを招きかねません。
また、依頼するのは自社の情報を発信する重要なもの。
RFPは自社のことを正確に、できる限り詳しく知ってもらうためにとても重要な資料なのです。
要件定義書との違い
提案依頼書と似た言葉に、「要件定義書」があります。これは発注者側ではなく、受注者側(Web制作会社側)が作成する資料です。発注者側から受け取った要件や要望、課題などを元に、目的を達成するために実施する内容をまとめていきます。制作過程での認識齟齬が発生しないよう、あいまいさを残さないように作成され、プロジェクトの認識共有に使われます。
【関連記事】RFP(提案依頼書)と要件定義書の違いは何? 記載内容も詳しく解説
RFPを作るメリット5つ
RFPは初期の段階からプロジェクトの質を上げるためにも必要なものです。
後々RFPが制作進行の指標になることもあるのですが、作成することでどんなメリットがあるのかをご説明します。
制作会社からの提案の質を上げることができる
現状抱えている課題や要件を明確にすることで、希望に沿った提案をしてもらえるというメリットがあります。
一口にホームページの制作をお願いしたいと言っても
・概算のページ数は?
・制作期間はどれくらいで公開日はいつ?
・予算はどれくらい?
・ホームページに何を期待する?
・ダーゲットはどんな人?
など、企業によって要件はさまざま。
具体的な希望や要件を最初から制作会社に提示するほど提案の質も上がり、業者選定の時間も手間も短縮できます。
制作会社を選定する際の判断基準になる
RFPを作成することが多いシチュエーションのひとつにコンペの開催があります。
コンペは、事前に会社とマッチしそうな制作会社の中から複数社に提案を依頼し、その中から業者を選出する方法です。
複数社に依頼する場合、要件がないとバラバラな提案になってしまい判断するのがとても難しく、選定にも時間がかかってしまいます。
RFPを作成することで、要件に沿った提案内容の業者を選定できるというメリットがあります。
現状の課題、解決したいことや要望を明確化できる
問題点をあらかじめRFPで明確化しておくと、当初提示した課題、要望が提案の中で解消されているかどうかを判断する指標になります。
また業者へ依頼する直前になって、他部署から急な変更や要望があがることもよくあります。
「知っているものだと思っていた。」
「CMSにはこの機能が付くと思っていた。」
などなど、担当者の考えていることとは全く別のところで、他部署の人が抱えている問題や課題は意外と多くあり、きちんとヒアリングしなければ後々にトラブルになることもあります。
RFPを作成は、課題を取りまとめて明確にすることができるというメリットもあります。
制作会社とのトラブルを防ぐことができる
ホームページにはこれといった正解がなく、依頼する側も何が正しいかわからない状態からスタートすることが多くあります。
曖昧な表現や口約束だけで進めてしまうと、期待していたものと違うという事態になりかねません。
最悪の場合一から作り直し・・・という話に発展したり、スケジュールが遅れてしまったりというのは良くあることです。
RFPを作成し、重要なことは事前に取り決めをしておくことで、トラブルを防ぐ効果があります。
社内共有や稟議、取りまとめがしやすくなる
発注元の部署ごとに課題が共有できるというお話はしましたが、よくあるのが決裁について。
ホームページの制作において担当者に決裁権がないことは多々あります。
承認をとるために上司や社長に稟議をあげる際、重要になるのがRFPです。
口頭だけで説明していたために、できあがってから社内トラブルになるということも珍しくありません。
決裁者が社長というのはよくあるケースですが、稟議の段階で全体像が見えないものの場合、
断片的に説明しても理解が得られないことが多くあります。
見えないからこそ、具体的に要件を可視化することでイメージも湧きやすくなります。
関係者の多いホームページは特にRFPで要件を集約しておくことが重要です。
必要な項目と書き方
ではここからは具体的なRFPの書き方と項目についてご説明します。
とは言ってもプロジェクトによって要件はさまざまですので正解はありません。
わからないところは飛ばし、制作会社と相談することをおすすめします。
プロジェクトの概要
プロジェクトの枠組みとなる重要な部分のため、できるだけ具体的に記載すると良いでしょう。
課題には事業上の課題とホームページ上の課題など分けて記載できるとよりわかりやすくなります。
公開希望日も、具体的な日程を記載しておくと良いでしょう。
- プロジェクト名
- プロジェクトの目的
- 対象ホームページURL
- 制作を依頼する背景
- 現状の課題
- 目標、ゴール
- サイト公開希望日
- 予算
- 制作における自社の体制図
会社概要・事業内容
会社情報も具体的に記載します。 自社の強みやターゲット層も記載しておくことで、
提案時に強みやターゲットを加味した内容を提示してくれる可能性も高まります。
- 会社基本情報
- 事業内容
- 組織図
- ターゲット、既存顧客の属性
- 強み
- 競合他社
サイトの要件・要望
以下、お菓子メーカーのホームページリニューアルを例にご説明します。
ページの構成、コンテンツ、原稿など、細かな希望がある場合はすべて記載します。
- 希望コンテンツ
キャンペーン/CMギャラリー/商品情報/レシピ/サービス/会員登録・マイページ - 自社で更新したいページ
プレスリリース投稿/商品情報の追加 - 素材・原稿
原稿は基本弊社で準備します。
素材はあるものに関してはご支給しますが、撮影もお願いしたいです。 - 対応デバイス
PC/スマホへの対応と、タブレットでも見られるようにしたいです。
制作会社に提案してほしいこと
制作会社に提案、提示してほしいことを記載します。
プロジェクトによっては項目も変わってきますが、
ホームページ制作においての基本的なものを掲載しています。
- スケジュール
- 見積書
- コンセプト
- キャッチコピー
- デザイン案
- 制作体制図
- システム要件
- コンテンツ案
- サイトマップ
サーバー構成
- 契約するサーバー会社
- サーバー管理の方法
- ドメイン/SSLについて
- 公開後の旧サイトの処理
上記については制作会社から提案してもらえる場合もありますが、
すでに決まっていたり希望がある場合は具体的に提示します。
補足情報
- 納品物一覧
- 運用保守内容
- システム操作の教育、研修について
- 閲覧環境
- 支払い方法
納品物や公開対応はどちらが行うかなどの取り決めもRFP上で決めておくと良いでしょう。
RFPの重要性まとめ・無料サンプルプレゼント
ホームページ制作の知識がないとRFPを作成することを少し敬遠する方も多いのですが、
すべて必ず正確に埋める必要があるというわけではありません。
提案してほしいこと、希望するものや課題など、できるだけ具体的に自社の情報を制作会社に提示するものがRFPであり、提案の質を上げるポイントになります。
制作が決まった!これから決まりそう!という方はスムーズに業者選定ができるよう、
RFPを準備しておくことをおすすめします。
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WRITERぱら広報
コンテンツマーケティング会社でSNS運用を経験したのち、2018年にジーピーオンライン入社。Webサイト制作に関する情報をWeb担当者さま目線で分かりやすくお伝えします。