Web制作がオワコン?そう言われる理由を4つのトレンドから解説

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Web制作がオワコン?そう言われる理由を4つのトレンドから解説

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Web制作がオワコン?そう言われる理由を4つのトレンドから解説

こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のふじです!

ITの需要が拡大している中、IT人材の不足が深刻だと国の調査※でも明らかにされている一方で、近年、Web業界内で「Web制作はオワコン」という説がよく話題にされています。
※参考:経済産業省 情報技術利用促進課「IT人材需給に関する調査(概要)」

これは、Web制作を取り巻く環境が変化し、昔のように簡単に稼げなくなったという背景から言われています。

Web制作会社の最前線で働く立場からお答えすると、Web制作の需要はまだまだ高く、オワコンではありません。しかし、求められる「Web制作」が変質してきており、これまでの考え方でWebサイトを制作するだけの人はもはやオワコンです。

この記事では、普段からさまざまな企業さまのWebサイト制作に携わっている筆者が、昨今のWeb業界を取り巻くトレンドからオワコンと言われる理由を紹介します。「オワコンなWeb制作者とは?」「今求められるWeb制作はどのような実態なのか?」についても解説していきます。

Web制作のオワコン説

そもそも、なぜWeb制作がオワコンという声が大きくなってきているのでしょうか?まずは下記画像をご覧ください。

Google検索事例「Web制作」

Googleで「Web制作」と検索すると3番目にサジェストで表示されています。

サジェストとは検索エンジンで入力した際に、次に入力するであろうキーワードを予測してくれる機能です。つまり、よく一緒に検索されるキーワードが表示されるということで、検索ニーズがあるといえます。

次に、どのくらい検索されているのかを知る目安に、愛用しているPascalの検索ボリュームを見てみましょう。直近1年間の検索数合計を12ヶ月で割ったものらしいですが、月間検索数は1,000と出ています。なかなかの検索ボリュームです。

Pascalで検索ボリュームを確認

上記画像を見ていただくとわかるように、「Web制作 オワコン」以外でも「web制作 仕事がない」「web制作 フリーランス きつい」などのフリーランスの方が検索しているであろうネガティブなキーワードを発見しました。

フリーランスの方にとって、Web制作がオワコン化してきているのが検索ニーズから読み取れます。

Web制作を取り巻くトレンド

Web制作がオワコンと検索される背景には、昨今のWeb制作を取り巻くトレンドが関係していることが予想されます。

Web制作を取り巻く環境の変化として、大きく分けると以下4つのトレンドがあげられます。

  • ノーコードツールやローコードツールの進化
  • AI(人工知能)の発達
  • フリーランスの増加
  • Web制作の多様化

それぞれのトレンドごとにオワコンと言われる理由を解説していきます。

ノーコードツールやローコードツールの進化

通常、Webサイトを作る際には設計、デザイン、コーディングとステップが進んでいきます。近年そのステップを省力化できるノーコードツールやローコードツールが発達してきており、マークアップ業務だけを下請けしてきた人にとっては脅威となりました。

Webサイトを作る基本的なステップ

  1. ページに掲載する情報を整理(画面設計)
  2. ページの見た目を制作(デザイン)
  3. Webで表示されるようにページを制作(コーディング)

Webサイトを作る基本的なステップ

STUDIO(スタジオ)やWix(ウィックス)といったノーコードツールと呼ばれるサービスではさまざまなデザインテンプレートが用意されており、コーディングの知識がなくてもWebサイトの作成が可能です。これらのツールは、ドラッグ&ドロップ操作で簡単に操作できるため、誰でも簡単にWeb制作を始められるようになりました。

その結果、Web制作の参入障壁が大きく下がり、Web制作市場に参入する人が増え、競争が激化しています。特に、低単価案件はノーコードツールで制作されるケースが増えており、Web制作スキル単体での価値は低下傾向にあります。

AI(人工知能)の発達

近年、AI技術は目覚ましい進歩を遂げており、さまざまな分野で活用されています。ChatGPTを筆頭に生成AIはWebマーケティングやWeb制作においてすでに活用されはじめています。

これらテクノロジーの進化により、Web制作の仕事の一部を自動化することも可能です。単純作業の自動化が進み、Web制作者の作業効率が向上する一方で、単純作業だけをしていたWeb制作者にとっては需要自体減少し、業務がなくなることも考えられます。

海外ではすでにテキストからWebサイト全体のデザインを生成するAIツールや、デザインから自動的にコーディング・実装してくれるAIツールまで出てきています。Webサイトに掲載する画像もAIで生成できるようになり、そのクオリティも高くなってきました。

人工知能の技術が進むにつれて、Webデザインやコンテンツ生成においてもAIの役割がより重要になるでしょう。

フリーランスの増加

働き方改革による多様な働き方の推進から、以下4点が加速しフリーランスは増加傾向にありました。

  • 副業・兼業を解禁する企業の増加
  • 在宅勤務・リモートワークの増加
  • IT人材の不足
  • クラウドソーシングサービスの普及

そこに拍車をかけたのが、新型コロナウイルス感染症の流行です。

新型コロナウイルス感染症の流行によって、下記2点大きな働き方の変化がありました。

  • リモートワークの普及
  • オンラインツールの活用

出社せずに働けるように各社が取り組んだことで、多くの人がリモートワークを経験しました。

その結果、大きな初期投資の必要がなく、在宅勤務・リモートワークもしやすいWeb制作の業界に、新規参入者が一気に増えました。デザインやコーディング、システム構築分野について学べる教材やスクールも多く出始め、参入者の増加に拍車をかけています。

ランサーズ株式会社「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、2015年と新型コロナウイルス感染症拡大後の2021年とで比較すると、フリーランスの人口は640万人も増えています。

実際にWeb制作会社の当社へフリーランスの方からの営業メールが急激に増えました。ポートフォリオを拝見すると、在宅勤務で働けない職種の方が新型コロナをきっかけにスクールに行かれて、ジョブチェンジにチャレンジされているようです。リモートワークで働ける職種に人気が集中していることを実感します。

Web制作の多様化

Webサイトの役割は、情報発信や商品販売だけでなく、顧客とのコミュニケーションやデータ分析など、多様化しています。そのため、Web制作にはさまざまなスキルが求められ、一人の制作者が全てのスキルを習得することは難しくなっています。

また、インターネット上の情報量が増加し、発注側はWebサイト制作に関する知識を以前よりも多く持っています。Web制作は、単に見た目が綺麗なWebサイトを作るのではなく、機能性や利便性、検索エンジン対策(SEO)など、さまざまな要素を考慮して制作をすることが求められています。

現場からみたWeb業界の現状

Web制作がオワコンではないと結論づける大きな理由は次のとおりです。実際のWeb業界の現状とともに解説していきます。

インターネット広告を活用する企業の増加

国内企業において、インターネットを活用した広告(インターネット広告)にかける費用は増加傾向にあり、商品やサービスを広めるためにインターネット、Webに注力していく企業が年々増えていると考えられます。

2022年の電通グループが調査したデータでは、国内におけるインターネット広告媒体費は前年比100%以上の成長をしており、2023年も堅調に推移し、2兆7,908億円まで増加すると予測されています。

インターネット広告媒体費の推移

このように、インターネット広告の出稿が伸び続けるため、受け皿となるWebサイトやLP(ランニングページ)の制作も引き続き必要性が高まります。

Web制作業界の市場規模の拡大

Web制業界の売上高推移

参考:調査の結果|特定サービス産業動態統計調査(METI/経済産業省)

Web制作業界の売上高、Web制作業界の従業者数は右肩あがりです。市場規模拡大の背景にはさまざまな要因がありますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やWebアクセシビリティやセキュリティなどの法令・基準への対応は今後も需要が拡大していくでしょう。

【関連記事】Web制作業界の市場規模は今後どうなる?最新動向や展望を徹底解説

今求められるWeb制作の実態

Webサイトはビジネス上の課題を解決する、成果に結びつける重要なツールで、良質なコンテンツでWebブランディングと最適なWebマーケティングを実施していくことが必要です。そのため、Web業界では上流工程部分の業務が重要視されています。

  • Webマーケティングに基づくサイト制作
  • ユーザーにとって使いやすいわかりやすいを追及(UI/UX)
  • ユーザーにとって有益なコンテンツづくり
  • 上流工程部分の需要の増加

今後、Webサイトを制作する上で具体的にどのような部分がポイントとなるか、解説いたします。

Webマーケティングに基づくサイト制作

「Webサイトがともかくあればいい。」という時代ではなくなりました。

自社のWebサイトをより多くのユーザーに認知してもらい、Webサイトを通してビジネス上の成果に結びつける方法を考えなければいけません。いわゆるWebマーケティングです。

Webマーケティングは、検索エンジン最適化(SEO)、リスティング広告、ソーシャルメディアマーケティング、コンテンツマーケティング、メールマーケティングなど、さまざまな手法を駆使して、潜在顧客をターゲティングし、効率的に顧客を獲得・育成するための施策です。

検索エンジン最適化(SEO)

  • 〇〇という悩みで検索している人に、この商品を知ってもらいたい!
  • 〇〇のサービス比較で検索しながら調査をしている人に、自社のサービスも比較に加えてほしい!

検索エンジンで調べているターゲットに対して認知してもらうには、検索結果での上位表示と適切なコンテンツの配置が必要です。近年では、このSEOと呼ばれる施策に力を入れる企業が増加しています。

SEOとは、検索エンジンからWebサイトへ多くのユーザーを流入させるための手法や、検索結果で上位に表示させるための対策のことをいいます。

GoogleやYahoo!の検索結果で上位にサイトが出てくることは、多くのユーザーにサービスや商品を知ってもらえる機会につながりますが、指定のキーワードで検索結果の上位に表示させるというのは、簡単にできることではありません。

SEOにはさまざまな取り組みがありますが、Webサイトの構造やGoogleの検索エンジンの定期的なアップデートなど専門的な知識や経験が必要です。SEOに知見を持つWeb制作会社やITコンサルティング企業への需要が年々高まっています。

【関連記事】【2023年】SEO対策の基本を分かりやすく解説!最新最適化ガイド

ユーザーにとって使いやすいわかりやすいを追及(UI/UX)

ビジネス上の課題を解決する、成果に結びつくWebサイトにするために、課題や目標に応じてユーザーが使いやすい情報の配置、使いやすい動きにしなければいけません。具体的には以下のような視点が重要です。

  • ユーザーが知りたい内容にすぐたどり着ける、分かりやすい構造にする
  • ボタンは押しやすいか、文章は読みやすいか、コンテンツ情報が効果的な見せ方やレイアウトにする
  • ページが重すぎないか、ページが長すぎないか、操作性に不快のない設計をする
  • パソコンだけはなく、スマートフォンなどのモバイルでも使いやすいWebサイトにする

Webサイトの見た目や操作する要素のことをUI(ユーザーインターフェース)といい、ユーザーがサイトを通して得られる感情をUX(ユーザーエクスペリエンス)といいます。

成果に結びつけるためにも、UI・UXを考えてサイトの制作を進めていくと高品質に繋がります。

実際、2022年12月にGoogleの検索品質評価ガイドラインの情報更新をおこなったことで、サイト内に掲載している内容が、ユーザーにとって有益であるか、モバイルでも使いやすいかどうかが重視されるようになりました。検索結果の上位に表示されるには、上質なコンテンツを掲載し、ユーザーにとって使いやすいサイトを目指す必要があります。

ユーザーにとって有益なコンテンツづくり

会社が発信したいと思う内容が、必ずしもユーザーにとって有益なコンテンツであるとは限りません。

Google社では、WebサイトやWebページのコンテンツを評価する手段の一つとして「E-E-A-T」といった基準を設けています。

「E-E-A-T」に基づくコンテンツ評価

E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼)を指します。

  • Experience(コンテンツの作成者がそのトピックスに対してどれだけの経験を持っているか)
  • Expertise(そのトピックスに対してどれだけ深く詳細に情報を提供しているか)
  • Authoritativeness(誰がそのトピックスを発信しているか。専門家が好ましい)
  • Trust(情報の正確性や執筆者、Webサイトの運営会社の明示など)

【関連記事】SEOで重要なE-E-A-Tとは?Googleの評価基準を分かりやすく解説

上流工程部分の需要の増加

Webサイトに掲載するコンテンツの質を高め、ビジネス上の成果に繋げていくためには、Webサイトを作る前の段階が極めて重要となります。

Webサイト制作の上流工程(一部抜粋)

  • 入念なヒアリングと要求分析
  • Webサイトでどのように課題を設定するかの目的設定
  • Webサイトを使用するユーザーの具体的な性質の検討(ペルソナ設計)
  • 検討から購入・契約までのユーザーの動き・シナリオを設計(カスタマージャーニー)
  • どのようなWebサイトにしていくかを定義(コンセプトメイキング)

上記は専門的な知識や経験、戦略設計が求められる上流工程です。

この工程を踏まずにWebサイトを制作してしまうと、制作途中に「やっぱりこの内容のほうがいいのではないか」と迷いも生じてしまい、ちぐはぐなサイトになってしまいます。初期の段階から、サイトの方向性を高いレベルまで検討・定義していくことで、軸のぶれない質の高いサイトになります。

ずばりオワコンなWeb制作者とは?

これまでの情報をふまえてオワコンなWeb制作者について整理します。

変化に対応できないWeb制作者

前述のとおり、Web業界は常に変化しており、新しい技術やツールが次々と登場しています。しかし、変化に対応できず、古い技術や知識にしがみついているWeb制作者は、時代に取り残されてしまいます。

Web制作者の中には10年20年と制作者として、高度なスキルを持ち続け活躍している人がいます。当社の制作メンバーにも多いですが、そういった人たちは変化を受容して、常に学び続けている人たちばかりです。

低単価競争に巻き込まれるWeb制作者

ノーコード・ローコードツールの普及により、低価格でWebサイト制作を請け負う制作者が増えています。これはフリーランスが増加した背景がひとつの要因といえます。初心者のWeb制作者は「稼ぐよりもまずは実績づくり!」と低価格または無料で請け負うこともあります。

しかし、価格競争に巻き込まれると、利益を確保することが難しくなり、生き残ることが困難になります。生き残るためには、他のWeb制作者との差別化が必要です。差別化のためには、新しいスキルを身につける必要もあります。また、仕事の幅だけでなくスキル自体の高度化も必要で、成長の可能性があるメインのスキルを高めることも大切です。

自分の強みや売りを明確にできず、他のWeb制作者と同じようなサービスを提供しているWeb制作者は、顧客に選ばれません。

顧客のニーズにコミットできないWeb制作者

Webサイトは、ビジネスにとって重要なツールのひとつです。単に見た目が綺麗なだけでは意味がありません。顧客のニーズを理解し、それを満たすようなWebサイトを制作する必要があります。

そのためには、顧客とのコミュニケーションをしっかりと取る必要があります。顧客の課題や目標を理解し、それを解決するための提案をおこなうことが重要です。

上流工程部分が対応できないWeb制作者

近年、未経験ながらも下記のようなキャリアを目指して転職されようとする方や、個人でクラウドワークスなどである程度稼いだ後に、フリーランスとして挑戦される方を多く見かけます。

  • プログラミング言語を学んでフリーランスエンジニアを目指す方
  • 同じくスクールでHTML、CSS、JavaScriptを学びフロントエンドのエンジニアを目指す方
  • デザインソフトの使い方やstudioの開発を学習して、Webデザイナーを目指す方

残念ながらスクールで受講されただけではWeb制作者として活躍できません。継続した受注を繰り返していく必要があります。そうなると、目の前の制作業務で忙しくなってしまい、スキルアップに取り組む時間がなくなったり、チャレンジできる余白がなくなります。

また、未経験からフリーランスになると上流工程に携われる機会が得られにくいので、一度上流工程もおこなっているプロの現場に就職することもおすすめです。

幅広いジャンルの実務に携わることができ、サポートのある環境で的確なフィードバックをもらえることは、独学で勉強していく以上に成長が早く自身の特徴や適性に気づくことができます。上流工程部分を対応していくことは自然とディレクターやプロデューサーに近い動きになっていきますが、プログラマーやデザイナーからディレクターに転身して活躍されている人もWeb業界には多くいらっしゃいます。

Web制作がオワコンと言われる理由まとめ

近年、デザインもコーディングも専門的な知識なくできてしまう便利なツールが誕生し、誰でもサイトが制作できるようになってきました。フリーランスも増加しており、競争の激化でWeb業界全体の相場価格の低下を招く事態になり、Web制作がオワコンといわれる理由に繋がっています。

しかし、インターネットを活用してマーケティング活動をする企業は増えているため、Web制作の需要も年々増加しています。これからは、ただWebサイトを作るだけではなく、ビジネス上の課題や目的を達成するツールとして制作・運用をしていく必要があります。

そのためには、上流工程からサイトのコンセプトを策定し、ユーザーにとって有益で便利なサイトにしていかなければいけません。ユーザーやマーケティング目線でサイトを制作するには、まだまだ専門的な知識や経験が必要です。その点で上流工程の経験がある高度スキル人材やWeb制作会社は、今後も発展を続けていくでしょう。

2000年創業のジーピーオンラインは、コーポレートサイトからキャンペーンサイトまで幅広くサイトを制作してきました。その中で培った経験や知識をもとに上流工程にも携わり、クライアントのビジネス上の課題の解決・目的の達成に貢献するサイトを制作しています。サイトで何かお困りのことがあれば、いつでもご相談ください。

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この記事の著者
ふじ

WRITERふじ ディレクター

ホテル業界を経験後、2020年にジーピーオンラインに入社。ディレクターとしてコーポレート、製品・ブランドサイト、キャンペーンサイトなどさまざまなサイト制作に携わっています。

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